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臨床場面での自己開示と倫理

時代の趨勢は静かに関係精神分析の方向に向かっている。さまざまな学派やさまざまな立場を代表する臨床家たちから異口同音に聞こえてくるのが,治療とは結局は関係性であるということだ。どのような技法でもカバーしきれない,あるいはそれを包み込むように存在する関係性のファクターこそが精神分析の中核に存在するのである。本書で扱う自己開示,倫理性,現実は,その分析空間におけるリアリティを考える際の各論とも言うべきテーマである。それぞれの著者がそれらをどのように料理しているのか,どこか共通して,どこに個性が現れているかを一読して感じて欲しい。

 
「社会による子育て」実践ハンドブック

家庭や地域社会の子どもを育てる力が弱くなりつつある昨今,厳しい成育環境に生きる子どもたちをいかに支えるかは深刻な課題である。本書は,学校や幼稚園をはじめ,児童養護施設,児童相談所など,こうした困難な環境に生きる子どもと集団の場で関わる専門職に向けて企画された。現場が違えども,直面する課題には共通性がある。各領域の境界を越え,「社会による子育て」という枠組みで課題を共有しながら連携していくことが,今後いっそう求められよう。この20年ほどで,子どもの育ちに大きく関わるアタッチメントやトラウマ,発達障害の研究等が急速に発展し,子どもの問題を共通した視点から捉え,理解することが可能になった。本書では,こうした研究や実践の蓄積をふまえ,子どもと関わり,ともに援助するために専門職に求められる基本的視点を整理し,実践に活用する方策を示す。

 
ロールシャッハテストの所見の書き方

心理検査から理解されたことをどのように関係者に伝達するかは非常に重要な課題である。本書では,一方でロールシャッハ反応の読み方を懇切丁寧に解説して,読み取り技法の指導書を目指しながら,一方で解釈を基にした所見のまとめ方,報告書の書き方に多くの紙面を割いている。また,一事例の所見について論じながら,随所に所見の書き方一般についてのコラムが挿入されている。
 第3部のディスカッションでは,所見の書き方や口頭での伝え方について,心理検査の報告の際に大抵の人が迷うような課題が網羅され,課題への対処法についても沢山の知恵が提供されており,多くの臨床心理専門家の役に立つであろう。

 
自閉症スペクトラムの臨床

自閉症とその近縁領域の問題は,長年,子どもの臨床家の間では大きな関心ごとであったが,ここ最近,自閉症スペクトラムという形でその概念が拡大されるなかで成人の心理臨床や精神科臨床においても大変注目されているのは周知の通りである。本書にも示されているように,子どもの臨床から派生した概念を成人の臨床に拡大して適用する流れは,実は精神分析において早くから見られた。本書に収められた各論文は,それぞれの執筆者たちが,自閉症スペクトラムを持つ子どもや大人の経験世界に深い関心を寄せ,それを我が事のように理解しようとしていることを読者に伝えている。本書が,わが国の心理臨床や精神科臨床において,自閉症スペクトラムを持つ子どもや大人の経験世界に深い関心を持ち,彼らと心を通わせていこうと試みる臨床家が増えていく一助となることを願う。

 
児童分析家の語る子どものこころの育ち

本書は、タヴィストック(ロンドン)の伝統である《精神分析的観察法》に拠るところの‘子どものこころの育ち’ の問い直しの書である。本書の妙味は、<クライン派精神分析>のエッセンスがマーサ・ハリス流にやや控え目ながら折々に織り込まれていることにある。成人・子どもを問わず、‘こころの育ち’を支援するという観点から、保育・看護・教育・福祉、そして心理臨床など各フィールドで対人援助に携わる専門職の方々には、必読書(バイブル)になるかと思われる。そして一般の親御さんたちにも、‘親と子の結びつき’ を改めて問い直すものとしてお読みいただくことをお勧めしたい。

 
認知行動療法と精神分析が出会ったら

片や,「フロイトやユングは心理学ではないから近づいてはいけない」との刷り込みから,科学的・実証的心理学にどっぷり浸かり,認知行動療法に邁進してきた気鋭のセラピスト。片や,精神医学とも心理学とも違う精神分析の営みを日々実践する中で,認知行動療法の台頭が絶えず気になっていた生粋の精神分析家。「夢見ること」の操作的な定義は可能か? スキーマ療法と精神分析は競合するか? 精神分析は聴覚的でCBTは視覚的?……。ともに臨床の第一線で活躍する二人のプロフェッショナルが出会い,本音で語り合う中から,両者の違いと共通点,そしてこころの臨床家のあるべき姿が浮かび上がる。

 
あなたにもできる外国人へのこころの支援

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に,来日外国人への「おもてなし」が注目を浴びる一方,すでに日本に在住する200万人を超える外国人が,いろいろな地域で生活に困り,支援を求めていることはほとんど忘れられている。移民,難民,国際結婚者,外国人労働者,留学生などに対していかなるこころの支援ができるのか。医療や教育などの現場で時には四苦八苦しながら外国人のこころの支援に取り組んできた経験豊かな専門家たちが,外国人のこころの支援の基礎やコツ,文化的背景など知っておくべき事柄を,具体的な事例を上げてわかりやすく解説した実践の書。

 
自閉症スペクトラムの臨床

 自閉症とその近縁領域の問題は,長年,子どもの臨床家の間では大きな関心ごとであったが,ここ最近,自閉症スペクトラムという形でその概念が拡大されるなかで成人の心理臨床や精神科臨床においても大変注目されているのは周知の通りである。本書にも示されているように,子どもの臨床から派生した概念を成人の臨床に拡大して適用する流れは,実は精神分析において早くから見られた。
 本書に収められた各論文は,それぞれの執筆者たちが,自閉症スペクトラムを持つ子どもや大人の経験世界に深い関心を寄せ,それを我が事のように理解しようとしていることを読者に伝えている。
 本書が,わが国の心理臨床や精神科臨床において,自閉症スペクトラムを持つ子どもや大人の経験世界に深い関心を持ち,彼らと心を通わせていこうと試みる臨床家が増えていく一助となることを願う。

 
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新刊情報

臨床場面での自己開示と倫理

臨床場面での自己開示と倫理

精神分析の中核にある関係性を考える

 
ロールシャッハテストの所見の書き方

ロールシャッハテストの所見の書き方

臨床で使える報告書をまとめるために

著者:加藤志ほ子 編著
吉村聡 編著
 
 
「社会による子育て」実践ハンドブック

「社会による子育て」実践ハンドブック

厳しい環境下で生きる子どもの育ちを支える

著者:森茂起 編著
 
児童分析家の語る子どものこころの育ち

児童分析家の語る子どものこころの育ち

親子の結びつきの観点から問い直す心の育ち

 
 
自閉症スペクトラムの臨床

自閉症スペクトラムの臨床

その経験世界を共感的に深く理解するために

 
認知行動療法と精神分析が出会ったら

認知行動療法と精神分析が出会ったら

実践を知り尽くした両氏が語る臨床の醍醐味

著者:藤山直樹
伊藤 絵美
 
 
あなたにもできる外国人へのこころの支援

あなたにもできる外国人へのこころの支援

支援の基礎やコツを具体的な事例を基に解説

 
子どもの虐待とネグレクト18巻2号

子どもの虐待とネグレクト18巻2号

第21回学術集会における貴重な記録

 
 
子どもの精神医学入門セミナー

子どもの精神医学入門セミナー

急増する児童思春期患者への格好の入門書

著者:傳田 健三 編著
氏家武 編著
齋藤 卓弥 編著
 
改訂 精神分析的人格理論の基礎

改訂 精神分析的人格理論の基礎

刊行から8年,好評テキストの待望の改訂版

著者:馬場禮子
 
 
思春期青年期精神医学25巻2号

思春期青年期精神医学25巻2号

時代の要請に応えて創刊された専門学術誌

 
精神分析と昇華

精神分析と昇華

精神分析臨床の新たな可能性を拓く

著者:堀川 聡司
 
 
自閉症スペクトラムの臨床

自閉症スペクトラムの臨床

その経験世界を共感的に深く理解するために