精神分析的発達論の統合(1)

●精神分析的発達論の統合(1)
タイソン P./タイソン R.L. 著
馬場禮子 監訳
判型: A5
頁数: 248頁
価格: 4,200円(税込)
ISBN(旧): 【4-7533-0511-2】
ISBN(新):
【9784753305117】
刊行年: 2005年12月
●現代精神分析における発達論の臨床的統合
目次●
日本語版への序
まえがき
謝辞
序論
第1部発達的観点
第1章精神分析における発達的観点の歴史
第2章発達過程の理論 第2部精神・性的観点
第3章精神・性的観点:理論的概観
第4章精神・性的発達の諸段階
第3部対象関係
第5章対象関係に関する諸理論の展望
第6章対象関係の発達
第7章自己感の発達
第4部情動
第8章情動理論に関する精神分析的展望
第9章情動の発達的進化
参考文献
訳者あとがき
人名索引
事項索引
●多岐にわたり発展する現代精神分析理論を発達論の観点からの統合および相互比較を行う。
●原題『Psychoanalytic Theories of Development: an integration. 1990』
監訳者あとがきより● 本書はPhyllis TysonとRobert Tysonの夫妻によるPsychoanalytic Theories of Development:an integration(Yale University Press, 1990)を訳出したものである。本文338頁という大部の著書なので,訳書は上下2巻とし,上巻を馬場禮子が,下巻を皆川邦直が監訳している。
Tyson夫妻はともに,米国在住の世界的に著名な精神分析家であり,数々の論文や著書を出し,また臨床的指導者としても知られている。夫妻とも特に乳幼児の研究と児童の精神分析を多年にわたって実践している。Robert Tysonは国際精神分析学会のSecretary-Generalであり,わが国での研究集会にも参加され,私も青木紀久代とともに乳児観察研究の報告に助言を受けたことがあるが,その的確な指摘には感銘を受けたものであった。
最近の精神分析領域では次々と新しい理論が生まれ,理論の発展は多岐に亘るようになり,大量の理論が併存する状態が続くようになった。するとそれらを統合して展望し,理論の相互関係を理解しようとする著書も盛んに出版されるようになった。すでに翻訳されているものにも,Mitchell,S.A. & Greenberg,J.R.(1983)のObject Relations in Psychoanalytic Theory(横井公一監訳『精神分析理論の展開』),Pine,F.(1990)のDrive, Ego, Object and Self: A Synthesis for Clinical Work(川畑直人監訳『欲動,自我,対象,自己』)などがある。
本書もその流れにある著書の一つで,特に発達論の観点からの統合および相互比較を行ったものである。乳幼児やその両親との関係性,及びそれに基づく対象関係の発達については,直接観察を加えた研究が盛んになってから久しく,発達の領域では特に新しい理論の展開が盛んである。これほど多くの,しばしば矛盾し合う理論群を前にすると,どれか一つを選んで他を排除するか,または漠然とした折衷に終始するといった態度になりがちであるが,それでは理論を実践に生かすことは難しい。
こうした状況にあって,本書は実に詳細に綿密に各理論を検討しながら,かつ統合の観点を失わないという点で,優れた今日的指導書であり,特に発達論を機軸とする臨床家にとっては示唆に富む著書と言えるであろう。取り上げている内容は,精神分析的発達論の歴史から始まり,精神・性的発達,対象関係と自己感の発達,情動の発達,認知の発達,超自我の発達,男女児における性(gender)の発達,自我の発達となっており,それぞれについて,これまでに提示された理論を総合的に見直し,それらの相互関係に目を向けている。
特に私にとって参考になったのは,例えばイギリス学派と他の対象関係論との相違についてであり,あるいは,Kohutの理論構成の矛盾について,かねがね疑問に思っていたところを明確に指摘されて大いに意を強くしたのであった。
馬場禮子
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![精神力動的精神医学《その臨床実践[DSM-IV版]》・全3巻](http://www.iwasaki-ap.co.jp/images/4-7533-9999-9.jpg)

