癒しと成長の表現アートセラピー

癒しと成長の表現アートセラピー

●癒しと成長の表現アートセラピー


小野 京子 著

判型: A5並製

頁数: 216頁

価格: 2,625円(税込)

ISBN(旧):

ISBN(新): 【978-4-7533-1030-2】

刊行年: 2011-08-29


●楽しく学べる総合的なアートセラピーの格好の入門書

新刊

目次●
第1章 芸術療法と表現アートセラピー
 1.現代におけるアートの意味
 2.芸術療法(Arts Therapy)とは
 3.芸術療法の特質とその効果
 4.アートセラピーの歴史
 5.表現アートセラピー(Expressive Arts Therapy)の歴史
 6.表現アートセラピーにおける理論と実践
第2章 表現アートセラピーの実際
 1.さまざまな現場での適用
 2.一般の人への適用
 3.高齢者への表現アートセラピー
 4.精神科クリニックでの適用
 5.学校での適用
第3章 表現アートセラピーのトレーニング
 1.表現アートセラピストの養成
 2.トレーニングコースの構成
 3.パーソンセンタード表現アートセラピーのガイドライン
 4.7日間のコースのスケジュール
 5.トレーニングコースでの学び
 6.PCAと表現アートの相乗効果
第4章 エクササイズ
 1.心理探求的エクササイズと創作・表現中心のエクササイズ
 2.芸術療法におけるいくつかのベクトル
 3.エクササイズの実際
 4.心理探求的エクササイズ
 5.創作・表現中心のエクササイズ
 6.表現アートセラピーで用いる材料
 
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小野 京子(おの きょうこ)
1976年 日本女子大学文学部教育学科卒業
1978年 日本女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修士課程修了
1989年 米国カリフォルニア州立ソノマ大学大学院心理学部修士課程修了
2003年 ヨーロッパ・グラジュエート・スクール アドバンス・スタディ修了
現 在  表現アートセラピー研究所代表,NPO アートワークジャパン理事長,神奈川大学大学院非常勤講師,臨床心理士,国際学会認定表現アートセラピスト
著 書 『 アート×セラピー潮流』(共著,フィルムアート社,2002 年),『表現アートセラピー入門』(誠信書房,2005 年),『新しい芸術療法の流れ』(共著,フィルムアート社,2008 年)
訳 書 『 自己成長の基礎知識2』(共訳,春秋社,1991 年),『意識の臨界点』(共訳,雲母書房,1996年),『表現アートセラピー』(共訳,誠信書房,2000 年),『パーソンセンタード・アプローチの最前線』(共訳,コスモス・ライブラリー,2007 年),『芸術と心理療法』(誠信書房,2010 年)

「はじめに」より抜粋
 表現アートセラピー(Expressive Arts Therapy)は,アートセラピー(絵画や造形,粘土,コラージュなど視覚アートを用いるもの),ダンス・ムーブメントセラピー(からだの動きによる表現),ミュージックセラピー(音楽やサウンド,声による表現),ライティング(詩や散文など文章による表現),ドラマセラピー(演技やパフォーマンスによる表現)など,さまざまな芸術媒体での表現を用いる統合的な芸術療法です。
 すべての表現を用いる芸術療法というと,なかなかイメージしにくいかもしれません。別の言い方をすれば,パーソンセンタード表現アートセラピーは,大人のプレイセラピー(遊戯療法)と言えるかもしれません。子どもの心理療法では,プレイセラピーが一般的です。子どもはなかなか自分の気持ちを言葉で表現することができないので,子どもとのセラピーでは絵を描いたり,一緒におままごとやチャンバラ遊びをしたり,歌を歌ったり,砂遊び,おもちゃなどを用いた遊びなどをします。また子どもはお話を作ったりもするでしょう。大人は言葉を駆使することができるのですが,やはり自分の心の内面を表すときには,言葉でなかなか言い表せないことがあります。そんなときにアート表現は,心の奥にある気持ちや,メッセージなどを見事に表してくれます。
 そして子どもと同様に大人の中にもたくさんのチャンネルがあり,あるときは歌を歌いたくなり,あるときには踊りたくなり,あるときには演じたくなるのではないでしょうか。その時々で,絵で表現したり,それを物語にしたり,ムーブメントで表現することで,今ぴったりくる表現を見つけることができます。またそのように違う表現をすることで新しい発見に導かれ,より深い心の層に到達できると私は考えます。表現アートセラピーは,特定の表現に限定せず,すべての表現に開かれた療法です。
 もちろん統合的な表現を用いることが,すべての人に合うとは限りません。ときには単一の媒体で続けて表現する方が合っていることもあるでしょう。表現アートセラピーは,その意味で芸術療法のひとつの方法であり,ひとつの分野です。表現アートセラピーの特性は,さまざまな芸術表現の結びつきや刺激し合う性質を大切にし,多様性という視点をもっていることです。
 本書は4章で構成されています。第1章では,芸術療法や表現アートセラピーの歴史や理論を解説します。第2章では,実際に表現アートセラピーがどのように実践され,適用されているかについて述べます。第3章では,パーソンセンタード表現アートセラピーにおけるトレーニングの実際を紹介します。第4章では,具体的なエクササイズを解説します。エクササイズは,読者の皆さまにも試していただけるように,わかりやすくイラスト入りになっています。ご自身の心身の状況に合ったものをお試しください。コラムの欄では私自身の体験や,パーソンセンタード表現アートセラピーを体験した人の体験談や作品紹介が入っています。
 なお本書で紹介する表現アートセラピーは,パーソンセンタード表現アートセラピーに基づくものであることをおことわりしておきます。芸術療法にもさまざまなオリエンテーションがあります。それぞれのオリエンテーションが,意味ある切り口や示唆を提供します。パーソンセンタード表現アートセラピーは,パーソンセンタード・アプローチに基づく非分析的な立場です。作品を分析解釈せず,表現した人が主体的にその意味を発見することを援助します。芸術療法を学ぶ場合には,いくつかの違う立場を学んだ上で自分に合った流派を選択することをお勧めします。


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