【新版】子どもの治療相談面接
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●【新版】子どもの治療相談面接
ウィニコット D.W. 著
橋本雅雄・大矢泰士 監訳
判型: A5判並製
頁数: 400頁
価格: 5,040円(税込)
ISBN(旧):
ISBN(新):
【978-4-7533-1036-4】
刊行年: 2011-11-15
●待望の新版! 卓越した治療技法と臨床感覚を生き生きと再現
目次●
第1部
序
症例I イーロ 9歳9カ月
症例II ロビン 6歳
症例III イライザ 7歳半
症例IV ボブ 9歳
症例V ロバート 9歳
症例VI ローズマリー 10歳
症例VII アルフレッド 10歳
第2部
序
症例VIII チャールズ 9歳
症例IX アシュトン 12歳
症例X アルバート 7歳9カ月
症例XI ヘスタ 16歳
症例XII ミルトン 8歳
第3部
序
症例XIII エイダ 8歳
症例XIV セシル 初診時生後21カ月
症例XV マーク 12歳
症例XVI ピーター 13歳
症例XVII ルース 8歳
症例XVIII Ⅹ夫人 30歳(アンナ〈6歳〉の母親)
症例XIX リリー 6歳
症例XX ジェイソン 8歳9カ月
症例XXI ジョージ 13歳
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橋本雅雄(はしもと まさお)
1942年 栃木県に生まれる
1968年 慶応義塾大学医学部卒業,医学博士
現 在 くじらホスピタル
大矢泰士(おおや やすし)
1963年生まれ
東京大学文学部,教育学部教育心理学科卒業
東京都立大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士課程単位取得
専 攻 臨床心理学,精神分析学
現 職 東京国際大学大学院臨床心理学研究科准教授
本書は,Donald W. Winnicott : Therapeutic Consultations in Child Psychiatry. The Hogarth Press 1971の全訳である。原書は,21例の治療相談の記録が収録されている症例集で,3部から構成されている。第1部には,ほぼ正常といえるものから神経症範囲の症例,第2部には,神経症,スキゾイド・パーソナリティと精神病例,第3部には,反社会的傾向,特に盗みの症例が集められている。
本書はそれぞれの症例の治療の全経過が具体的に記述されているので,ウィニコットの教育分析を受けたガントリップGuntrip, H.をして「治療においてフロイトを越えた」と言わしめた,ウィニコットの卓越した治療技法と臨床感覚の一端を垣間見ることができる。
本書で紹介されている,治療相談(あるいは,治療相談面接)Therapeutic Consultationは,主に1回の面接で行なわれている。これは,この治療相談面接が初回面接を十分に利用すること,つまり,子どもと初めて出会い,まだ治療者が子どもの「主観的対象」である間にコミュニケートするためというばかりでなく,ロンドンのウィニコットのところにはイギリス各地から多数の患者が紹介されて来るので,1回の面接で「やるべき作業をやってしまう」ような治療技法を開発することが要請されたためであろう。
また,ほとんどの症例においてスクィグル・ゲームsquiggle gameが用いられている。
さらに,スクィグル・ゲームは,子どもと治療者ウィニコットとの遊ぶことの体験を共有する手段として重要である。ウィニコットは『遊ぶことと現実』のなかで,「遊びにおいて,遊ぶことにおいてのみ,個人は,子どもでも大人でも,創造的になることができ,その全人格を使うことができるのである。そして,個人は創造的である場合のみ,自己を発見できるのである」と述べているが,その具体的実践の一つが,治療相談面接の中で行なわれるスクィグル・ゲームなのである。その遊ぶことの過程で出現する重要な契機が,子どもがそれまで気がつかなかった自分を発見して,仰天する体験である。これは,深い感動を伴った知的発見や洞察体験である,アルキメデスの「ユリイカ体験」や,いわゆる「アハ体験」Aha experience,また,M. Balintのflash techniqueで得られる体験と類似している。
ウィニコットは,「書かれた楽譜から優れた音楽家の演奏を聞く満足はごく僅かしか得られないかもしれない」と,第1部の序で述べているが,この症例記述は,十分の臨場感を抱けるまでに,名演奏を生き生きと再現してくれている。各症例のセッションは「起承転結」とも「序破急」とも楽節の展開とも例えられるような進展を見せ,読む者は感嘆し,魅了させられてしまうであろう。訳者としては本訳書を通して,ウィニコットの名演奏を「楽しんで」いただけたら,と願うばかりである。(訳者あとがきより抜粋)


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