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間主観性の軌跡

治療プロセス理論と症例のアーティキュレーション

間主観性の軌跡

二人の筆者のそれぞれの「間主観性の軌跡」の記録

著者 丸田俊彦
森さち子
ジャンル 心理療法・カウンセリング
精神分析
出版年月日 2006/02/14
ISBN 9784753306008
判型・ページ数 A5・168ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目 次● 
まえがき 
第1章走馬燈の6つのシーン 
第2章「間主観性」との出会いから臨床的な問いかけへ─臨床の営みの中に生まれた一つの内的なプロセス─ 
第3章自己体験と情動の中心性─ステッピング・ストーンとしてのKohut─ 
第4章間主観的なかかわりあい 
第5章トラウマ再考 
第6章三つの間主観性 
第7章間主観的アプローチ─Stolorowらに学ぶ─ 
第8章失われていた外傷体験の記憶を取り戻す過程─改めて問われる治療者の基本的な態度─ 
第9章症例の考察 
参考文献
あとがき
索 引
●わが国における間主観的アプローチの第一人者らによる全編書き下ろし

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内容説明

■あとがきより  本書は,二人の筆者がそれぞれに体験した米国と日本における「間主観性の軌跡」の記録であり,故小此木啓吾を共同注視joint attentionしながら積み重ねた二人の長年の交流が,その基底をなしている。  全章,本書のために書き下ろした。  第1章「走馬燈の6つのシーン」は,精神分析的なトレーニングを求めて渡米した筆者の一人丸田が,ワンパターンなエディプス葛藤理論に失望し,Kohut,Stolorowらに出会い,ついには,間主観性の概念を日本へ導入するまでの経緯を語る。  第2章「『間主観性』との出会いから臨床的な問いかけへ」は,故小此木啓吾の近くにあって臨床訓練を重ねた筆者の一人森が,自我心理学から投影性同一化,間主観性へという移り変わりの中で,今も繰り返す「内的な問いかけ」をテーマにしている。  第3章「自己体験と情動の中心性」は,「(自我心理学的)臨床乳児」,「被観察乳児」,「現代乳児」からの展開として,新しい精神分析的発達論を提唱し,そのコンテクストにおいて,Kohutの自己心理学を,間主観的アプローチへのステッピングストーンであると論ずる。  第4章「間主観的なかかわりあい」は,『コフート理論とその周辺』,『間主観的感性』でも論じたSternの発達論を,間主観的なかかわり合いに焦点を絞って再考する。そのキーワードは,コミュニオン調律である。  第5章「トラウマ再考」は,『間主観的感性』第3章「心的外傷と心的現実」のさらなる展開として,フロイトの診察室へと遡り,今流行の「トラウマ」,「PTSD」,「多重人格」などの概念の問題点を提起する。  第6章「3つの間主観性」は,筆者らの臨床に直結したStolorow,Stern,Benjaminら,三者の間主観性の概念の異同を論ずる。  第7章「間主観的アプローチ」は,その副題「Stolorowらに学ぶ」通り,筆者らの臨床感覚に一番近いStolorowの治療プロセス理論の総論である。これまで,あちこちに書き散らした要点を総括するような形で,彼らの視点を要約した。  第8章「失われていた外傷体験の記憶を取り戻すプロセス」は,森が,第50回日本精神分析学会において指定討論演題として発表した症例である。症例の内容は,今回の書き下ろしで,発表当日の約二倍に膨れ上がった。  第9章「症例の考察」は,第8章の症例の考察である。発表当日の考察を元に,共著者と共に討論を重ねた結果,症例それ自体とほぼ同じ長さの考察となった。  故小此木啓吾は,晩年,間主観性に対し,並々ならぬ関心を示した。本書は,その彼の関心の延長線上にあるといっても過言ではない。本書が,この分野に関心をお持ちの方々がさらに思考を深め,症例をアーティキュレートする際の一助となり,学問の輪をさらに広げることに?がれば,望外の幸せである。 丸田 俊彦・森 さち子

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