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カウンセリングと心理療法

実践のための新しい概念

目次

目次●
 
序文 
第一部概説
 一章カウンセリングの場
 二章カウンセリングと心理療法における新旧の見解 
第二部カウンセラーが直面する初期の問題
 三章カウンセリングはどのようなとき必要となるか?
 四章カウンセリング関係の創出
 五章指示的アプローチと非指示的アプローチ 
第三部カウンセリングの過程
 六章感情の解放
 七章自己洞察の成就
 八章終結の段階
 九章実践上の諸問題 
第四部ハーバート・ブライアンのケース
付録
訳者あとがき

●カールR.ロジャーズの初期の代表作,Counseling and Psychotherapy : Newer Concepts in Practice (1942)の全訳。

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内容説明

訳者あとがきより●  本書『カウンセリングと心理療法―実践のための新しい概念―』は,心理臨床の世界に多大な足跡を残したカール・ランサム・ロジャーズ(Rogers, Carl Ransom ; 1902~1987)の初期の代表作,Counseling and Psychotherapy : Newer Concepts in Practice. (Houghton Mifflin Company, 1942)の全訳である。  ロジャーズは決して,カウンセリングや心理療法の創始者というわけではない。彼の登場は,アメリカにおける職業指導や精神測定といったガイダンスの活動を源流とするカウンセリング心理学の萌芽からは四十年近い時が,またヨーロッパでのジグムント・フロイトの手になる精神分析の誕生からはすでに半世紀近い時が経った後のことであった。  しかしこの事実は,心理臨床の世界においてロジャーズが果たした役割の価値を少しもそこなうものではない。というのも,アメリカにおけるガイダンス(その後のカウンセリング)とヨーロッパにおける精神分析(あるいはそれを中心とした心理療法)というそれぞれ独自に生まれた動向が大きなうねりとなって合流していく,まさにその地点にいあわせ,その創造的な合流のあり様を指し示したのがロジャーズであったと考えられるからである。  こうしたカウンセリングと心理療法の合流には,第一次世界大戦や大恐慌といった出来事をとおして,もともとアメリカのガイダンスには希薄であった人間の心に対する治癒的な働きかけが希求されるようになったことや,ヨーロッパにおけるナチズムの台頭とそれにともなう精神分析や心理療法のアメリカへの流入といった,大規模な社会的変化が背景にあったといえる。今となっては一見平凡な印象しか抱かせない,このロジャーズによる『カウンセリングと心理療法』というタイトルには,非常に深い意味が込められていたことに気づかされるのである。  周知のごとく,友田不二男氏を中心とした本書(『ロージァズ全集』)の訳出は,第二次大戦後の日本におけるカウンセリングや心理療法の展開を導いた,まさに先駆的な仕事であったと言わなければならない。しかし初訳からすでに半世紀以上が過ぎ,また全集の改訂版からも相当の年月が経った現在,新しい訳を待ち望み,新たにロジャーズを読み直してみたいという気持ちをもつのは訳者たちばかりではないであろう。  この『カウンセリングと心理療法』の新訳では,友田不二男氏らの訳の優れた点は各所でいかしつつ,しかし訳し直すべき点については思い切って新しい翻訳を行った。  なお本書は,本書とそれに続くロジャーズの代表的著作Client-Centered Therapy(1951)とOn Becoming a Person(1961)の3冊を,ロジャーズ主要著作集として翻訳・出版するという岩崎学術出版社の企画の第一弾として誕生したものである。 末武 康弘

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