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現代クライン派入門

基本概念の臨床的理解

現代クライン派入門

当代一級の教育分析家が基本概念を平易に論じる

著者 ブロンスタイン C.
福本修
平井正三
ジャンル 心理療法・カウンセリング
精神分析
出版年月日 2005/05/20
ISBN 9784753305049
判型・ページ数 A5・264ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次● 

序論 
1章 メラニー・クライン―初期の理論と実践=カタリーナ・ブロンスタイン 
2章 フロイトとクラインにおける空想(Phantasy)の概念=エリザベス・ボット・スピリウス 
3章 妄想分裂ポジション=プリシラ・ロス 
4章 抑うつポジション=ジェイン・テンパリー 
5章 エディプス・コンプレックス=ジル・ボズウェル 
6章 羨望と感謝=マルコ・チーザ 
7章 内的対象とは何か=カタリーナ・ブロンスタイン 
8章 投影同一化=デイヴィッド・ベル 
9章 象徴化=ハナ・シーガル 
10章 心のモデルの諸変化=ハナ・シーガル 
11章 ビオンの包容理論=ルース・リーゼンバーグ- マルコム 
12章 転移=ベティ・ジョゼフ

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内容説明

訳者あとがきより●  本書は,Bronstein, C. (Ed.) Kleinian Theory: A Contemporary Perspective. Whurr Publishers, London, 2001の邦訳である。  序論にもあるように本書の母体は,ロンドン大学に設けられた精神分析的研究という修士課程での講義である。本書の特徴は,臨床活動を行なっていない受講者のために,当代一流のクライン派トレーニングアナリストを中心とした講師陣が,基本的諸概念を平易に論じたところにある。どの章も,主題とする概念の問題領域を提示すると,歴史的な発展過程と関連する論考を簡潔に素描した上で,必ず臨床例を取り上げて説明している。時には,文学作品が例として引かれている。こうした構成は,非臨床家のためばかりでなく実際に臨床経験の機会がある読者にとっても,理解の助けとなることだろう。単一の著者による著作ではないので,叙述に若干の重複はあるが,それはむしろ問題がどう関連し合っているかを理解するのに役立っている。  クライン派の入門書は,すでに訳書がいくつかある。その代表はシーガルの『メラニー・クライン入門』(岩崎学術出版社)およびヒンシェルウッドの『クリニカル・クライン』(誠信書房)だろう。前者は,シーガルの系統だった記述と想像力豊かな臨床素材によって,30年以上読み継がれているが,その分古典的で,ビオン以降の精神病理論や技法の変化は含まれていない。後者は,『クライン派分析用語辞典』を編纂した著者が,臨床的展開を伝えるために,ほぼ年代順に著名論文から引用して構成したものである。出版後まだ10年ほどの経過で,特に現代の問題意識を概説した第3部は,今も日本語で読める最も詳しい文献の一つと思われる。ただし編集の性質上,自験例は含まれておらず,個々の概念を初期から現在の使用に至るまで見通すという形にはなっていない。  本書は,専門家たちがクライン派の現在の到達点を踏まえつつ,自分の経験から一場面を取り出して詳しく論じており,その意味で従来からの入門書を補って余りある魅力を持っていると言える。  記述内容に関しては,取り立てて難しいところはないので,ここで改めて個々の章について再論することは避けておく。本書の使い方に関してのみ付言すると,関心が湧くどの章から読んでも,一まとまりの説明を得ることはできる。順番にこだわらず一通り読み進めれば,重ね描きを通して全体図が見えてくるだろう。もう一つの方法は,順番通り読みつつ,その都度引用されるクラインの論文や現代クライン派の原典に当たることで,それによって理解は立体的なものとなるだろう。一人では困難な場合,勉強会形式でテキストとして用いていただくのも一法である。クライン派の理論と臨床への関心が高まる中で,どのような仕方であれ,本訳書が読者の理解を促進する一助となればさいわいである。 福本 修

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