ホーム > 精神分析的発達論の統合①
目次
日本語版への序
まえがき
謝辞
序論
第1部発達的観点
第1章 精神分析における発達的観点の歴史
第2章 発達過程の理論
第2部精神・性的観点
第3章 精神・性的観点:理論的概観
第4章 精神・性的発達の諸段階
第3部 対象関係
第5章 対象関係に関する諸理論の展望
第6章 対象関係の発達
第7章 自己感の発達
第4部情動
第8章 情動理論に関する精神分析的展望
第9章 情動の発達的進化
参考文献
訳者あとがき
人名索引
事項索引
まえがき
謝辞
序論
第1部発達的観点
第1章 精神分析における発達的観点の歴史
第2章 発達過程の理論
第2部精神・性的観点
第3章 精神・性的観点:理論的概観
第4章 精神・性的発達の諸段階
第3部 対象関係
第5章 対象関係に関する諸理論の展望
第6章 対象関係の発達
第7章 自己感の発達
第4部情動
第8章 情動理論に関する精神分析的展望
第9章 情動の発達的進化
参考文献
訳者あとがき
人名索引
事項索引
内容説明
本書はPhyllis TysonとRobert Tysonの夫妻によるPsychoanalytic Theories of Development:an integration(Yale University Press,1990)を訳出したものである。(中略)Tyson夫妻はともに,米国在住の世界的に著名な精神分析家であり,数々の論文や著書を出し,また臨床的指導者としても知られている。夫妻とも特に乳幼児の研究と児童の精神分析を多年にわたって実践している。Robert Tysonは国際精神分析学会のSecretary-Generalであり,わが国での研究集会にも参加され,私も青木紀久代とともに乳児観察研究の報告に助言を受けたことがあるが,その的確な指摘には感銘を受けたものであった。最近の精神分析領域では次々と新しい理論が生まれ,理論の発展は多岐に亘るようになり,大量の理論が併存する状態が続くようになった。するとそれらを統合して展望 し,理論の相互関係を理解しようとする著書も盛んに出版されるようになった。すでに翻訳されているものにも,Mitchell,S.A.&Greenberg,」.R.(1983)のObject Relations in Psychoanalytic Theory(横井公一監訳『精神分析理論の展開』),Pine,F.(1990)のDrive,Ego,Object and Self:A Synthesis for Clinical Work(川畑直人監訳『欲動,自我,対象,自己』)などがある。本書もその流れにある著書の一つで,特に発達論の観点からの統合および相互比較を行ったものである。乳幼児やその両親との関係性,およびそれに基づく対象関係の発達については,直接観察を加えた研究が盛んになってから久しく,発達の領域では特に新しい理論の展開が盛んである。これほど多くの,しばしば矛盾し合う理論群を前にすると,どれか一つを選んで他を排除するか,または漠然とした折衷に終始するといった態度になりがちであるが,それでは理論を実践に生かすことは難しい。こうした状況にあって,<b>本書は実に詳細に綿密に各理論を検討しながら,かつ統合の観点を失わないという点で,優れた今日的指導書であり,特に発達論を機軸とする臨床家にとっては示唆に富む著書と言えるであろう。</b>取り上げている内容は,精神分析的発達論の歴史から始まり,精神・性的発達,対象関係と自己感の発達,情動の発達,認知の発達,超自我の発達,男女児における性(gender)の発達,自我の発達となっており,それぞれについて,これまでに提示された理論を総合的に見直し,それらの相互関係に目を向けている。特に私にとって参考になったのは,例えばイギリス学派と他の対象関係論との相違についてであり,あるいは,Kohutの理論構成の矛盾について,かねがね疑問に思っていたところを明確に指摘されて大いに意を強くしたのであった。(「監訳者あとがき」より)
著者情報
タイソン P. 著
タイソンR.L. 著
馬場 禮子 監訳
1934年東京に生まれる。1958年慶応義塾大学社会学研究科心理学専攻・修士課程修了。同年慶応義塾大学医学部精神神経科勤務。同時に,三恵病院などにて精神科臨床に従事。1984年常磐大学人間科学部数授。1991年東京都立大学人文学部教授。1997年放送大学教育学部教授。2005年山梨英和大学大学院(臨床心理学専攻)教授。現職中野臨床心理研究室。
著書 「改訂境界例―ロールシャッハテストと心理療法」「改訂ロールシャッハ法と精神分析―継起分析入門」「力動的心理査定―ロールシャッハ法の継起分析を中心に」(岩崎学術出版社)「心理療法と心理検査」(日本評論社)「精神力動論」(共著,金子書房)他
訳書 「精神分析的発達論の統合①」(P.タイソン/R.L.タイソン著),「芸術の精神分析的研究」(E.クリス著),「親-乳幼児心理療法」(D.スターン著),「発達精神病理学からみた精神分析理論」(P.フォナギー/M.ダルジェ著)(岩崎学術出版社)他