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臨床現場に生かすクライン派精神分析

精神分析における洞察と関係性

臨床現場に生かすクライン派精神分析
 

目次

目次●
 
 監訳者まえがき
 謝 辞
 序 文

第一部 関係の諸相
 第一章 心理援助者がクライエントとの関係に持ち込む感情
  心理援助者の希望に満ちた期待
  心理援助者の恐れ
 第二章 クライエントが関係に持ち込む感情
  希望に満ちた期待
  クライエントが持ち込む恐れ
 第三章 転移と逆転移
  転移とその心理学的援助への影響
 第四章 空 想
  空想と心理援助者
  体と心のつながり
 第五章 愛、憎しみ、葛藤
  生得的な欲動の二極性
 第六章 相互作用
  母親、赤ちゃん、父親
  力動的な相互作用
  家 族
  相互作用の図示
第二部 葛藤、不安、防衛
 第一章 大人、子ども、乳児にみられる迫害不安とそれに対する防衛
 第二章 大人、子ども、乳児における抑うつ不安とそれに対する防衛
 第三章 喪失と喪の悲しみに関連する不安
 第四章 賞賛と羨望
第三部 洞察を得ることとそれを心理学的援助関係の中で生かすこと
 はじめに
 第一章 洞察を得る
 第二章 治療的相互作用
 第三章 心理学的援助にともなう責任と負担についてのいくつかの見解
訳者あとがき
読書案内
参考文献
 
原題●Psycho-Analytic Insight and Relationships: A Kleinian Approach. 1970

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内容説明

まえがきより● 人と関わるさまざまな領域で,心のケアということがわが国で言われ始めて久しく,多くの人がこのやりがいのある仕事に携わるようになっています。しかし,実際に人の心と関わる中で,多くの臨床家は,方向性を見失ったり,困難に陥ったりすることはしばしばですが,そのようなときに本当に助けとなるような本がなかなか見当たらないのが現状のように思います。精神分析は,無意識と呼ばれる人の心の奥底や,人と人との関係性の見えにくい面を明らかにしてくれるものであり,日々の臨床のなかで格闘する臨床家にとって大いに役に立つはずのものです。  本書は,クライン派の精神分析に基づいていますが,難しい理論から出発するというよりも,イギリスのケースワーカーの臨床現場から出発し,臨床現場で起こることと真に結びつき,それに役立つ理論を提示しようと試みています。わが国の読者の多くは,ケースワーカーと聞くと,心理療法などの心のケアと直接結びつかないと考える方も多いかもしれませんが,本書を一読すれば明らかなように,イギリスにおけるケースワーカーの臨床は,日本の多くの臨床心理士や精神科医の仕事と大いに重なるところがあります。本書は,ケースワーカーはもとより,臨床心理士や精神科医を始め,心のケアに携わる多くの専門家の臨床現場に役立つものと思われます。  本書は,生硬な概念を生身の人間や人間関係に当てはめるという,一般に想像されているような精神分析のイメージと程遠いものです。読者は,提示されている事例に,自分自身の臨床の一場面やクライエントの一人や,場合によっては自分自身を見出すでしょう。そして,それに伴う生々しい感情を喚起され,混乱や不安のなかにいる経験が想起されるかもしれません。しかし,本書を読んでいく中で,まるで霧の中から一筋の光が見えてくるように,方向性が見えてきたり,情緒的にどうしようもなくもつれているように見えたものの中に秩序が見えてきたりするかもしれません。  本書は,初版以来30年以上も広く読まれ,現在でもタビストック・クリニックの精神分析的心理療法の訓練・研修の読書リストに挙げられています。また,九カ国語以上の外国語にも翻訳されており,イギリスだけではなく,世界の多くの国で読まれているようです。本書は,臨床心理士や精神科医を初め心のケアと関わる多くの臨床家が得ることが多大であるだけでなく,精神分析的心理療法家にとっても学ぶことが多いでしょう。特に,現代精神分析の中心的存在であるウィルフレッド・ビオンから個人分析を受けた著者が書いた本書は,難解なことで知られるビオンの理論や着想がまるで水や空気のように染み渡っており,ビオンの理論を日常の臨床感覚の中で把握できる稀有な本といってよいでしょう。本書が,わが国の多くの臨床家に役立ち,精神分析が心のケアの文化の中核を支えていくのに一役買うことを願います。 平井 正三

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