ホーム > 改訂 錯覚と脱錯覚

改訂 錯覚と脱錯覚

ウィニコットの臨床感覚

改訂 錯覚と脱錯覚

ウィニコットを「読みこなし」続け日本語にこだわり続けてきた著者の道標・改訂

著者 北山 修
ジャンル 精神分析
出版年月日 2004/03/24
ISBN 9784753304011
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

改訂版を出版するにあたり
序文
はじめに
1.読者と著者の間に 2.文化の体験領域としての読書 3.必要最小限の精神分析ーーその「好き嫌い」

第1章 魔女とハンプティ・ダンプティ
1.国境と時代のむこうに 2.ノンセンスの領域

第2章 精神医学のスナック・バー
1.信頼できる治療者とその包容力 2.二重の資格 3.ウィニコットを取り囲む環境

第3章 英語と日本語の問に
1.多義的な日常語の使用 2.コトの実体化 3.ホウルディングーー抱えること

第4章 その発達理論の裏地と表地
1.環境要因の強調 2.意味のない攻撃性 3.象徴的破壊

第5章 楽観と悲観
1.治療者の希望 2.大人と子どもの連続性 3.開花するエディプス期

第6章 一次過程と二次過程の問で
1.逆説のフレィジオロジィ
『移行対象 transitional oblect』の逆説性
『遊ぶこと playing』の逆説性
『錯覚 illusion』の逆説性
『可能性包蔵空間 potential space』の逆説性
妊娠中,出産直後の『母親の原初的没頭 primary maternal pre-occupation』の逆説性
子どもの『狂気 madness』の逆説性
『想像を絶する不安 unthinkable anxiety』の逆説性
『主観的対象 subjective object』の逆説性
『ほど良い good enough』ことの逆説性
対象は破壊されるが『生き残る survive』という過程の逆説性
2.一人でいる能力
『一人でいる能力』

第7章 病理の理解と治療方針
1.主観的対象をめぐって 2.空想することについて 3.遊ぶことをめぐって 4.偽りの自己をめぐって 5.ごちゃごちゃしたもの 6.健康の指標ーー象徴化能力

第8章 家族との関わり
1.枠から溢れ出すもの 2.平均的に期待できる環境 3.共有された精神分析

第9章 治療者のいるところで体験すること
1.全能の体験と象徴の使用 2.退行論 146 3.静かな退行ーー静かな母親 4.ほど良い分析

第10章 遊ぶこと,演じること
1.治療者と遊ぶこと 2.治療者の遊べること 3.遊びに「水」をささない解釈ーー遊びを促進する解釈 4.ごっこ遊びーー「ふれあい」から「やりとり」へ 5.言葉遊び 6.ごちゃまぜ遊び 7.隠れん坊遊び 8.ドルドラムの領域 9.最後に,移行対象

ある錯覚の未来/あとがき/北山修,『ピグル』,ウィニコット/索引

このページのトップへ

内容説明

ポスト・フロイトの最も重要な分析家の一人ウィニコット。日本のウィニコット研究の第一人者が,子どもの治療記録『ピグル』との極めて緻密な対話を通して,稀有な分析家の思考の全体をとらえる。読者を精神分析という文化とのパーソナルで切実な対話へと促す,独創的なウィニコット入門。

この本は,日本のウィニコッ ト研究にとってきわめて画期的なものであった。それが新装なって出版されることはたいへん喜ばしい。日本の精神分析の歴史のなかでもほとんど類をみない,原典とのきわめて緻密で本質的な対話を,精神分析に関心のある,とくに若い世代の読者が手にすることができる状況が生まれることには,大きな意味がある。この本は北山の,ウィニコットを「知る」営みにとどまらない,ウィニコットを「生きる」という営みの記録であるといえるだろう。本書は,『ピグル』がウィニコットによるガブリエルとの遊びの記録であるように,北山による『ピグル』との遊びの記録なのである。私の考えでは,ウィニコットの思考の全体を単独でとらえるという意味でこの本を超えるウィニコットに関する書物は,その後日本に現れていない。一見体系的でない語り口,どちらかというと気ままな語り口で語っているように見えながら,この本がウィニコットという分析家の思考の本質的な諸側面をほぼ網羅的にすくい取っていることに驚かされる。この本は若い読者諸氏が精神分析という内実をもった文化とパーソナルで切実な対話を営むきっかけになるだけの実質を備えている,と私は信じる。(藤山直樹「解題」より)

このページのトップへ

著者情報

北山 修

精神分析家・元日本精神分析学会会長・医学博士。1946年淡路島に生まれる。1972年京都府主医科大学卒業。1974~1976年ロン ドン大学精神医学研究所およびモーズレイ病院にて研修。1981~1991年北山医院精神科院長。1986年国際精神分析学会正会員。1991年九州大学教育学部助教授。1994年同教授。2010年まで九州大学大学院人間環境学研究院・医学研究院教授。専攻精神分析学。現職北山精神分析室,白鴎大学特任教授,国際基督教大学客員教授。著書 錯覚と脱錯覚(岩崎学術出版社)北山修著作集〈日本臨床の深層,全3巻〉(岩崎学術出版社)幻滅論(みすず書房)共視論(共著,講談社)劇的な精神分析入門(みすず書房)最後の授業(みすず書房)フロイトと日本人(編著,岩崎学術出版社)覆いをとること・つくること(岩崎学術出版社)その他多数。 訳書 ウィニコット=小児医学から精神分析へ,抱えることと解釈(以上監訳,岩崎学術出版社)ストレイチー=フロイト全著作解説(監訳,人文書院),フロイト=「ねずみ男」精神分析の記録(監訳,人文書院)その他多数。

このページのトップへ

関連書籍

定版 見るなの禁止

定版 見るなの禁止

北山理論の変遷と進展を一望に収める

著者:北山 修
 
改訳 遊ぶことと現実

改訳 遊ぶことと現実

臨床家ウィニコットの思索の到達点

 
 

このページのトップへ