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情緒発達の精神分析理論

現代精神分析双書第Ⅱ期・2

情緒発達の精神分析理論

自我の芽ばえと母なるもの

著者 牛島 定信
ジャンル 精神分析
出版年月日 1977/10/05
ISBN 9784753377053
判型・ページ数 A5・356ページ
定価 本体5,500円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

目次

目次抄録●
 
Ⅰ情緒発達理論
 精神分析と罪悪感
 一人でいられる能力
 親と幼児の関係に関する理論
 子どもの情緒発達における自我の統合
 健康なとき,危機状況にあるときの子どもに何を供給するのか
 思遣りをもつ能力の発達
 個人の情緒発達にみられる依存から独立への過程
 道徳と教育NⅡ精神分析理論と技法N子どもの直接観察の精神分析に対する寄与
 潜伏期の児童分析
 疾患分類:精神分析学ははたして精神医学的疾患分類に寄与したか
 本当の,および偽りの自己という観点からみた自我の歪曲
 逆転移
 精神分析的治療の目標
 クラインの貢献に対する私的見解
 交流することと交流しないこと
 他
解題=牛島定信

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内容説明

D.W.Winnicottには次の3冊の学術論文集がある。
1.Collected Papers;Through Paediatrics to Psycho anaalysis,Tavistock Publication, London,1958.
2.The Maturational Processes and the Facilitating Environment;Studies in the Theory of Emotional Development,Hogarth P ress,London,1965.
3.Playing and Reahty,Tavistock Publication,London,1971.
本書は第2の論文集の訳出である(都合により3編は割愛した)。1957-63年にかけて発表された諸論文が収録されている。この時期は,彼の情緒発達理論がほぼ完成した時期である。つまり,第1の論文集は,彼がまだ教育分析やスーパービジョンをうけているころに書かれたものから,次第に彼独自の諸発見がなされた時期のものである。将来の発展を約束するような彼の鋭敏多感さを随所に認めることができるが,まだその断片性は否定し難く,全体を包括する理論構成に乏しい。それに比べて,第2の論文集になると,彼の自我理論,情緒発達論が洗練され公式化されて,さらには,疾病論が展開されるに至っているのである。それは,H.Hartmannの生物学的発想(自我心理学)ともMelanie Kleinの内的世界偏重主義とも違った,特異な理論的境地である。そういう意味では,Winnicottを理解するには,本書がもっとも手取り早いように思う。第3の論文集は,精神の更なる健康を求めての, 創造的活動の世界についての論文である。ところで,本書の原題「成熟過程と発達促進的環境」は,彼の理論をもっとも的確に表現したものといわれている。しかしながら,原題が日本語に移しかえられたときにわたくしたちに与える語感は,Winnicottのもち味とは隔越した感じがしてならない。そのために,「自我の芽ばえと母なるもの」という意訳を採用し,それを副題にあてることにした。

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著者情報

牛島 定信

1939年福岡に生れる。1963年九州大学医学部卒業,医学博士。1972年九州大学医学部付属病院助手。1973年英国ロンドン大学精神医学研究所へ留学。1974年福岡大学医学部精神医学教室 講師,助教授,教授を経て1991年東京慈恵会医科大学精神医学教室教授。現在東京女子大学教授,三田精神療法研究所所長。 著書 思春期の対象関係論,境界例の臨床,対象関係論的精神療法,人格の病理と精神療法(金剛出版),心の健康を求めて―現代家族の病理―(慶応義塾出版),精神分析療法(金原出版),ウィニコットの遊びとその概念(編著,岩崎学術出版社),精神分析人門(編著,放送大学教育振興会)他。 訳書 D.W.ウィニコット「情緒発達の精神分析理論」(岩崎学術出版社)他。

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