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精神分析的発達論の統合(2)

精神分析的発達論の統合(2)

『精神分析的発達論の統合(1)』の続巻,待望の刊行

著者 タイソン P.
タイソンR.L.
皆川 邦直
山科 満
遠藤 幸彦
中 康
ジャンル 精神分析
出版年月日 2008/10/24
ISBN 9784753308149
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 4,180円(本体3,800円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

●目次
第5部認 知
 第10章 認知の発達に関する精神分析的展望
 第11章 認知発達の段階
第6部 超自我
 第12章 超自我理論についての概観
 第13章 超自我の発達
 第14章 ジェンダーによる超自我発達の差異
第7部 ジェンダー
 第15章 ジェンダーの発達:理論的概観
 第16章 ジェンダーの発達:女児
 第17章 ジェンダーの発達:男児
第8部 自 我
 第18章 自我の発達
エピローグ
用語解説

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内容説明

監訳者あとがきより抜粋● 本書はPhyllis Tyson,Robert Tyson夫妻著,Psychoanalytic Theories of Development: an Integration(Yale University Press, 1990)の翻訳である。訳書は①②巻に分かれて,①巻は馬場禮子氏の監訳により2005年12月にすでに出版されている。私たちは後半部分を担当してようやく出版に漕ぎ着けることができた。馬場氏は通巻共通の訳語を用いることによってなるべく読者に混乱が生じないように配慮された。そして私たちも原著者の意図が伝わる読みやすい日本語であるように心がけた。しかし,無意識の内側の描写であるため,読者にとって決して歯ざわり良く分かりやすい内容であるとは言いがたい。スルメは噛んでいるうちに次第に美味しくなるように,メタサイコロジーは本質的に読んですぐに分かるようなものではない。何年かの間,分からない概念は分からないままに抱えてセミナーやケースカンファレンス,あるいはスーパービジョンを受けつつ反芻するうちに,ある時,「あっ,そういうことなのか」と腑に落ちる時が来るであろう。一読して分からない部分には分析理論の本来の分かりにくさに加えて,監訳者の力不足によるところもあると思う。その点は気づかれた読者から是非ともご指摘いただきたい。  ところでTyson夫妻は共にフロイディアンの児童分析家であり,Hampstead Clinic(現Anna Freud Center)への留学経験をもたれる。約10年前,ご夫妻が訪日された折に,私たちの所属する東京精神療法研究会(Tokyo Psychotherapy Study Group, TPSG)で講演をお願いした。その内容は実際の事例を含むフロイディアン児童分析に関する理論と実際に踏み込むものであった。その時の印象では,お二人とも非常に優れた臨床家であり指導者であった。 最近,自我心理学の欠点を指摘して新しい精神分析理論を主張する学派も少なくない。しかし乳児期から思春期青年期,そしてライフサイクルを通じて展開する発達を俯瞰するには,フロイディアン・メタサイコロジーは今でも必須である。それは精神分析的発達論の中核と言うべき欲動・自我・超自我の発達をめぐる構造論と,意識と無意識という局所論,そして経済論(リビドー論)を基盤とする仮説体系であり,どの精神分析学派で学ぶセラピストにも役立つ基礎的な知識を提供する。というのは,これらを踏まえることによって,セラピストの共感性や思考力は個人的資質を越えて伸ばすことができるからである。  本書のカバーする領域は多岐にわたるが,特に以下の2点が本書のオリジナルな部分であろう。第一に,超自我の発達過程が乳児期から青年期に至るまで精密かつ総合的に記述されている。これは私たちの知る限り他書に類を見ないものである。また超自我前駆と言わずにイントロジェクトと呼ぶところにも特徴がある。 皆川 邦直

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著者情報

タイソン P.

タイソンR.L.

皆川 邦直

1971年慶應義塾大学医学部卒業,ロヨーラ大学精神科レジデント,ミシガン大学児童精神科クリニカルフェロー,慶應義塾大学精神神経科助手,東京都精神医学研究所参事研究員,技術部長などを経て,2001年より現職。現職法政大学現代福祉学部教授,サイコセラピーインターナショナル院長,医学博士。著訳書 治療作用―精神分析的精神療法の手引き(岩崎学術出版社,監訳)思春期患者へのアプローチ(診療新社)子育て心理教育(安田生命事業団),精神分析セミナー第Ⅰ~Ⅴ巻(岩崎学術出版社,編著)境界例(医学書院,編著)ほか.。

山科 満

1961年生まれ。1989年新潟大学医学部卒業。1992年東京都立松沢病院精神科医員。1998~2006年順天堂大学医学部精神医学教室助手、同講師。現職は文教大学人間科学部臨床心理学科准教授、医学博士

遠藤 幸彦

1962年東京に生まれる。1988年日本医科大学医学部卒業。1990年緑光会東松山病院。1994年日本医科大学神経科助手代理。現職は聖美会多摩中央病院副院長、日本医科大学非常勤講師、創価大学兼任講師、医学博士

中 康

1956年生まれ。1981年千葉大学医学部卒業。1983年津軽保健生活協同組合藤代健生病院精神科、健生病院精神科。1991年東京都葛飾保健所小菅保健相談所長。1992~2007年東京都立多摩総合精神保健福祉センター医療科医長、東京都立精神保健福祉センター地域援助医長、東京都多摩総合精神保健福祉センター広報援助課長。現職は公立学校共済組合関東中央病院精神科医長

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