ホーム > 絵画療法Ⅱ

絵画療法Ⅱ

芸術療法実践講座2

絵画療法Ⅱ

もっとも代表的な芸術療法である絵画療法の展開を気鋭の著者らが論じる

著者 飯森 眞喜雄
伊集院 清一
ジャンル 心理療法・カウンセリング
出版年月日 2009/10/03
ISBN 9784753309092
判型・ページ数 A5・160ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

●目次
 
序文(飯森眞喜雄)
はじめに―21 世紀の芸術療法・表現病理学に向けて(伊集院清一)
第1章 反復する描画主題と語り―長期入院統合失調症患者の絵画療法(中村 研之)
第2章 描画表現の推移にみる自己再発見のプロセス―急性期病棟における絵画療法(三根 芳明)
第3章 言語化への橋渡しとしてのテーマ画―不登校事例への援助を通して(寺沢英理子)
第4章 描画とともに―治療空間のために(渡邊 浩樹)
第5章 出会いと再発見の場としての集団絵画療法―集団入院患者への絵画療法(中村  純・比嘉 俊江)
第6章 精神科デイケアにおけるアートセラピー(関  則雄)
第7章 芸術療法を使いこなすクライエント―摂食障害事例への絵画療法(寺沢英理子)
第8章 アートセラピー・芸術療法の観点からみた統合失調症における心的機制についての一論(伊集院清一)
索引

このページのトップへ

内容説明

●「はじめに」より抜粋  芸術療法・表現病理学の21 世紀における課題を,非差異化の方向性と差異化の方向性の視点から論じるなら,この領域の学会としての日本芸術療法学会の現状を把握することからはじめねばなるまい。この学会は,今や多様かつ細分化された分野,異なる世代,種々の治療や研究の場を擁しているといえる。分科会ともいえる学会や協会を次々に形成され,それぞれが独立傾向を強めている。いわゆるサイコセラピー(精神療法・心理療法)が多様化し変形してきたことも,その要因の一つであろう。  また,病棟や病院という確固とした治療構造上の枠をもつ現場に身を置く医者や看護スタッフ,パラメディカルスタッフなどの医療従事者からの視点と,クリニックや心理臨床の場,種々の社会復帰施設や養護・介護施設の場,司法の場,あるいは医療や心理学の枠組を越えたヒーリングの場などの,治療構造上の存在しない,ないしは希薄な現場からの視点が,うまく噛み合っていないのではないかという指摘もある。職種の違い,現場が目的とするものの違いが,その背景にあるとも考えられる。  それぞれの依って立つ基盤が分化しすぎており,その手法や手技も多様化しすぎているため,共通の言語による交流ができないということの現れかもしれない。世代間ギャップが大きすぎて会話が成立しづらいという面もある。  このような状況を考慮すれば,それを解きほぐすための第一歩として,種々の差異性を再統合する場が必要といえるだろう。今回のこの芸術療法講座のシリーズの存在意義は,このような対話の場を作り出し深めていくことにあるといってもよいかもしれない。絵画療法のⅠ,Ⅱでは,多様なバックグラウンドを有する方たちに,細かい絵画療法課程を,症例を挙げて提示してもらい,その寄る辺となる理論的背景にも言及していただいた。非差異化の方向性を追求する普遍的なテーマへと繋がっていくことを祈って。  海外の学会に出席していると,これからは,新しい国や地域から,パラダイムの変革を告げる概念が生まれてくる可能性が高いと感じられることもしばしばである。こうした現象を視野に入れながら,われわれは自らの領域においても,これからの世界の動きを見つめていかなければならないだろう。  芸術は決して滅びはしない。人間に,心が,パッションがある限り。本来懐の深い学問であるこの領域に,若い後輩たちが,いろいろなジャンルから集い,情熱をもって語り合い,21 世紀もまた大きな大輪の花を咲かせつづけてくれることを願っている。この講座のシリーズが,多少ともその手助けにならんことを心から祈ってやまない。 (伊集院清一

このページのトップへ

著者情報

飯森 眞喜雄

1975年 東京医科大学医学部卒業 1999年 東京医科大学精神医学講座主任教授(〜2014.3) 2003年 東京医科大学病院 副院長(〜2005.8) 2009年 東京医科大学 副学長(〜2014.3) 2010年 学校法人東京医科大学 理事 2014年3月 東京医科大学精神医学講座主任教授退任 2014年10月 いいもり こころの診療所 開設 サイコセラピー研究所長 【専門】精神療法、芸術療法、精神病理学。 【資格】医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医 【役職・学会】 東京医科大学名誉教授 学校法人東京医科大学 理事 日本芸術療法学会  理事 日本サイコセラピー学会理事 日本産業精神保健学会 理事 日本ストレス学会  理事 日本精神科診断学会  理事 日本自殺予防学会  理事 日本臨床死生学会  理事長 【主な編著書】 「ホモ・ロクェンスの病―言葉の処方と精神医学」 「芸術療法実践講座1~6巻」 「芸術療法 Ⅰ、Ⅱ巻」 「芸術療法」 「俳句・連句療法」 「カウンセリングと心理療法」 「精神科ポケット辞典」 「ストレス科学辞典」 「テキスト 臨床死生学」 「神経・精神疾患マニュアル」

伊集院 清一

1958年2月神戸市生まれ。1976年4月東京大学理科Ⅲ類入学。1982年3月東京大学医学部医学科卒業。同年6月東京大学医学部附属病院内科。1984年7月神戸大学医学部精神神経科学教室。1989年10月東京大学医学部附属病院分院神経科。1990年1月医学博士。1993年1月東京大学医学部助手・附属病院分院神経科医局長。1994年5月埼玉大学保健センター助教授。2000年9月2000年度エルンスト・クリス賞(アメリカ表現精神病理学会賞本賞)受賞(ハーバード大学)2003年4月多摩美術大学大学院美術研究科美術学部教授(現職)。2003年11月日本芸術療法学会賞本賞受賞。精神保健指定医、精神科専門医、臨床心理士、日本芸術療法学会認定芸術療法士、日本芸術療法学会理事(1994年~評講員、1996年~現在)、日本病跡学会理事、東京大学非常勤講師(医学部・教育学部・保健センター、1996年4月~2008年3月)、お茶の水女子大学非常勤講師(1999年4月~2000年3月)など。 著書 『風景構成法―「枠組」のなかの心象』(単著、金剛出版)、『芸術療法実践講座2絵画療法Ⅱ』(共編著、岩崎学術出版社)、『治療のテルモピュライ』(共著、星和書店)、『精神医学の名著50』(分担執筆、平凡社)、『精神医学―その基盤と進歩』(分担執筆、朝倉書店)、『芸術療法1理論編、2実践編』、『風景構成法その後の発展』(ともに分担執筆、岩崎学術出版社)、『精神医学レビュー5妄想』(分担執筆、ライフサイエンス社)、"Dynamik psychischer Prozesse in Diagnose und Therapie" (Flaccus Kiado)、 "Arts-Therapies-Communication"(Lit Verlag)、"Arts Medicine"(MMB Music)、 "Psychopathology of Expression and Art Therapy in the World" (Animula)、≪L'Humour: Histoire, Culture et Psychologie≫(SIPE)、 "The Influence of Recent Socio-Political Events on Fine Arts and on Patient's Art" "Developmental Aspects of Creatirity" (ともにASPE)(独英仏文はいずれも分担執筆)など 訳書 (バーンズ, R.C.)「動的H-T-P描画診断法」(共訳、星和書店)、その他「詩集そこにいるのは誰」(篁清羽として,星和書店)、「海・海を求めて」(作詞担当、教育芸術社JASRAC作品コード030-6794-7、THE CHORUS '95混声/女声編、合唱曲集NEW!心のハーモニー コーラス・パーティー5、音多多重パート練習用CD Chorus ONTA VoL.5ほか)

このページのトップへ

関連書籍

空間と表象の精神病理

空間と表象の精神病理

芸術療法,病跡学,精神病理学の新たな地平

著者:伊集院 清一
 
 

このページのトップへ