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子どもの発達と情緒の障害

事例からみる児童精神医学の臨床

子どもの発達と情緒の障害

ケースを中心にすえ,子どものこころの理解と支援を考える

著者 本城秀次
野邑健二
金子一史
吉川徹
ジャンル 精神医学・精神医療
発達・思春期・老年
出版年月日 2009/12/21
ISBN 9784753309153
判型・ページ数 A5・280ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
 
まえがき(本城 秀次)
第Ⅰ部 発達障害をめぐる問題  
第1 章 乳児期からはじまる広汎性発達障害の発達支援(河村 雄一)
第2 章 広汎性発達障害と強迫(石井  卓)
第3 章 自閉症圏の子どもとの関わりの支援(水野 智之)
第4 章 発達障害の思春期以降の合併症―統合失調症様症状の合併について(吉川  徹)
第5 章 成人の高機能広汎性発達障害の診断と支援(大村  豊)
第6 章 発達障害の地域医療(平野 千晶)
第Ⅱ部 親と子どもの育ちへの支援
第7 章 周産期から乳幼児期の親子関係への支援(永田 雅子)
第8 章 児童期の心理療法(金子 一史)
第9 章 学校臨床―つなぐことの意味(小倉 正義)
第10章 親子の病理の世代間伝達(高橋 靖子)
第11章 心理臨床に生かすアタッチメント研究からの視点(瀬地山葉矢)
第12章 今日の思春期の情緒的問題―そだち失調の視点から(大高 一則)
第Ⅲ部 子どもの情緒的問題へのアプローチ
第13 章 トラウマ臨床と児童青年精神医学(杉山登志郎)
第14 章 子どものうつ(猪子 香代)
第15 章 児童・思春期の気分障害―双極性障害と若年周期精神病(若子 理恵)
第16 章 子どもの解離傾向と精神医学的諸問題(村瀬 聡美)
第17 章 広汎性発達障害児の不登校(野邑 健二)
第18 章 非行の臨床―少年との心理面接からみえてくるもの(河野 荘子)
第19 章 思春期・青年期の摂食障害への心理アプローチ(清瀧 裕子)

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内容説明

「まえがき」より抜粋●  従来,わが国では子どものこころの問題に関する関心は比較的乏しく,子どものこころの問題に対する医学的,心理学的対応はきわめて貧弱なものであった。しかし,そうしたなかで,名古屋大学医学部精神科は,1936 年4 月に堀要元教授によってわが国最初の児童精神医学の専門外来が作られて以来,児童精神医学の代表的な医療施設として,その歴史と伝統を誇っている。一方,教育学部では1953 年以来,心理相談活動を実施しており,わが国における心理臨床家の養成機関として重要な役割を演じてきた。  近年,発達障害の増加傾向が指摘され,日本児童青年精神医学会における学会発表も発達障害に関するものが多くを占めている。さらに,これまで児童精神医学にあまり関心をもたなかったような小児科や成人精神科の専門家もこれらの問題に続々と参入してくるようになった。もちろん多くの専門家が子どものこころの問題に関心をもつことはそれ自体望ましいことと思われる。しかし,内科などから紹介されてくる成人ケースにしばしばアスペルガー症候群などの診断がつけられているのに,生育歴はほとんどまったく聞かれていないといった事態に直面すると,この症例をどうしてアスペルガー症候群の成人例と診断したのだろうと不思議になってくる。  私は常々発達障害の成人例の診断はきわめて難しいと感じている。そのため,そういった症例の診断をするさいにはかなり慎重になり,十分な時間をかけるようにしている。それでも自信をもった診断ができないことが多い。厚生労働省は,子どものこころの問題も扱える小児科医を養成するために,研修会等を催しているが,それに加えて,あるいはそれ以上に,児童精神医学を専門とする医師の養成が必須のものと考えられる。  少し話が医療サイドに偏ってしまったが,心理臨床家に関しても多くの困難が存在している。  児童精神医学の臨床において,心理臨床家は医師の必須のパートナーである。心理臨床家の働きなくして,遊戯療法など非言語的な心理療法や心理検査は実施し得ない。そのように重要な存在である心理臨床家にとって医療現場における立場は曖昧なものであり,待遇もきわめて悪い。今後子どものこころの問題にともに立ち向かうパートナーとして,適切な処遇がなされることが必要不可欠である。  これまで縷々述べてきたように,名古屋大学の児童精神医学の歴史は長く,わが国における自閉症の第一例も名古屋大学から発表されている。しかし,従来名古屋大学の学風は堅実で,レベルは高いが,あまり派手さはないという印象であるように思われる。そこで,このような堅実な臨床活動を文字にまとめ,それを世に問うのも重要なことではないかと思い,今回,若い人たちを中心にわれわれの臨床活動を本として発表することにした。 本城秀次

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