ホーム > 精神科臨床における行動療法

精神科臨床における行動療法

強迫性障害とその関連領域

精神科臨床における行動療法

臨床のいたる所で応用できる行動療法の実際

著者 飯倉康郎
ジャンル 精神医学・精神医療
行動療法・認知療法
出版年月日 2010/06/21
ISBN 9784753310050
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●

序 章―本書を通して筆者が伝えたいこと
|第Ⅰ部|不安障害の診断と行動療法を中心とした治療概論
第1章 行動療法概論
第2章 不安障害の行動療法の原則
第3章 強迫症状の治療と行動療法の活用
|第Ⅱ部|行動療法と治療環境
第4章 重症強迫性障害に対する行動療法の入院治療プログラム
第5章 外来における強迫性障害の行動療法の概略と実際
第6章 行動療法を行っている治療機関における強迫性障害の“治療終結”について
第7章 十分な条件が整わない治療環境における強迫性障害の行動療法
第8章 ひとりの場面における曝露反応妨害法がうまくいくための方策
|第Ⅲ部|行動療法と薬物療法
第9章 強迫性障害の行動療法と薬物療法
第10章 強迫性障害臨床における行動療法と薬物療法の“連動”
第11章 執拗な強迫症状を伴う統合失調症圏障害の治療
|第Ⅳ部|症  例
第12章 確認強迫の行動療法の治療例
第13章 強迫性障害の行動療法の治療経過
第14章 強迫性障害の治療過程における“不完全な曝露反応妨害法”の場面への対応
第15章 曝露反応妨害法を行うための行動療法の技術
第16章 重症広場恐怖に対するリハビリテーション的アプローチの試み
   
------------------------------------
飯倉康郎(いいくら やすろう)
1963年生まれ
1988年九州大学医学部卒業。同大学医学部付属病院精神科,飯塚記念病院勤務を経て,
1990年より肥前精神医療センター勤務。
1994年~1996年米国ペンシルバニア医科大学(E. Foa教授)に留学。
1996年より再び肥前精神医療センター勤務。
2007年1月より,特定医療法人 宗仁会 奥村病院に勤務。

主要著書
『強迫性障害の治療ガイド』二瓶社,1999.
『強迫性障害の行動療法』(編著)金剛出版,2005.

このページのトップへ

内容説明

序章より抜粋 歴史的に研究者たちは行動療法の治療効果のエビデンスを出すことに力を注いできた。そのおかげで,われわれが大手を振って行動療法を行うことができるようになった。これは非常に意義があることといえる。一方で,特定の疾患に対する特定の治療技法だけでなく,精神科臨床のいたるところで応用できるという行動療法の実用性と柔軟性に関してアピールされることが少なかった点は否めない。筆者も実は行動療法を始めるまでは,この治療法を何か表面的な感じのする治療法であると思っていた。しかし,実際に精神科臨床の中で行動療法を行ってみると,思っていたイメージとまったく異なり,奥が深く,実におもしろい治療法であることがよくわかった。(中略)本編に入る前に,全編を通して筆者が伝えたいと思っている行動療法の精神療法としての特長をいくつかあげて説明しようと思う。 1)双方向性の治療である:行動療法について,一方的に患者に指示を出して治療しているようなイメージをもたれている人もいるかもしれないが,決してそうではない。行動療法の臨床では,患者の話や意見を聞きながら,表情をみながら,雰囲気を感じながら,というように患者と双方向性に交流しながら治療の進め方を決めていくことがほとんどである。(中略) 2)考えて工夫する治療である:行動療法ではこれまで多くの治療プログラムが開発されている。これらをみると,行動療法は治療プログラムにあてはめて計画的に進められる治療だと思う人も多いであろう。確かにそのような治療もあり,よい治療成績をあげている報告も少なくない。しかし,それは,行動療法のひとつの面を示しているにすぎない。精神科臨床で個別の(特に複雑な)ケースの行動療法を行ってみると,何も困らずにすんなり治療が進むことはめったにない。経過は山あり谷ありで,その都度考えて仮説を立ててそれを実行して結果を検証するという作業を繰り返している。(中略) 3)部分を治療することで全体を変えていく治療である:行動療法は具体的な治療対象を取り上げて治療を行うという特徴がある。これは,すなわち“部分”を治療するということである。しかし,これは単なる一部分ではない。部分と全体はお互いに影響しあっている関係にある。 つまり,行動療法では,部分を治療することで全体がどのように変わっていくのかを常に考えながら治療を行っているのである。一方,全体のことばかり考えると優柔不断な治療になり結果的に全体がよくならないこともある。すなわち,部分の治療に関しては,柔軟性と一貫性のバランス感覚が必要となる。(中略) 4)“小さな成功”を積み重ねる治療である:これも部分と全体に関することであるが,行動療法では部分の治療の“小さな成功”が大きな意味をもっている。(中略)行動療法では,患者が主体的,積極的に治療に取り組んでいけるかどうかが治療の成否の鍵を握っている。それを生み出す力が治療の中での“小さな成功”であると筆者は考えている。(中略) 筆者は,上に述べたような行動療法のおもしろさを伝えたいと思って本書を執筆した。本書を通じて,実際に行動療法を行ってみたいと思うようになる医療関係者がいくらかでも増えてくれることを願っている。

このページのトップへ

関連書籍

臨床行動分析のすすめ方

臨床行動分析のすすめ方

CBTを精神療法として機能させるために

著者:芝田寿美男
 
 

このページのトップへ