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臨床家のための精神分析入門

今日の理論と実践

臨床家のための精神分析入門

実践家に向けた現代精神分析の世界を俯瞰し歩くためのガイド

著者 ベイトマン A.
ホームズJ.
館直彦
増尾徳行
ジャンル 心理療法・カウンセリング
精神分析
出版年月日 2010/10/18
ISBN 9784753310104
判型・ページ数 A5・336ページ
定価 本体3,300円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
 
 監訳者まえがき
第Ⅰ部 理  論
 第1章…導入:歴史と論争
 第2章…心のモデル
 第3章…内的世界の起源
 第4章…防衛のメカニズム
 第5章…転移と逆転移
 第6章…夢,象徴,想像
第Ⅱ部 実  践
 第7章…アセスメント面接
 第8章…治療関係
 第9章…臨床上のジレンマ
 第10章…精神分析の精神医学への寄与
 第11章…精神分析における研究
 
 訳者あとがき
 参考文献
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監訳者略歴●
館 直彦(たち・なおひこ)
1953年 東京に生まれる
1981年 大阪大学医学部卒業
1995年 東京慈恵会医科大学講師
現 職 天理大学大学院臨床人間学研究科教授,個人開業
著訳書 『境界例』(共編著)岩崎学術出版社
ボラス著『精神分析という経験』『対象の影』(監訳)岩崎学術出版社
エイブラム著『ウィニコット用語辞典』(監訳)誠信書房

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内容説明

監訳者まえがきより抜粋● 著者らは,フロイト以降100年の間に複雑に発展した精神分析を,明確な言葉で表し,問題点を提示し,そこから現代精神分析のエッセンスを抽出することを目指している。そういう意味で,本書は「批評辞典」の系譜にある,と述べている。つまり,精神分析の全体像を描き,その本質的な特徴を剔出することで,入門書の役割を果たそうとしているのである。しかし,それぞれの学派が自説を謳い,ときに他の学派を貶める傾向が見られることもある現代の精神分析にあって,その全体像を描くことなどがはたして可能だろうか,と思われる向きもあるかもしれない。そもそも,現代精神分析のさまざまな理論を網羅することが無理な注文なのでないか,という意見もあるだろう。しかし,読んでみると彼らの試みはおおむね成功しているように思われる。彼らは,基本的には英国中間学派寄りのスタンスを取っているとはいえ,各学派の考え方やその異同が,ほぼ偏りなく記載されているので,現代の精神分析全体を俯瞰することができる。(中略) 本書の裏表紙には,「生き生きとした描写がなされており,思考を喚起する」とも書かれているが,これもまさにその通りだと思う。しかも,彼らの語り口は軽妙で乾いたユーモアがあり,押しつけがましさがまったく見られない。実例を提示するにしても,こういう見方が成り立つが,別の視点で見るならばこう考えることもできる(たとえば,古典理論では……だが,現代的な理論では……である,などと説明される),といった記載がなされている。また,彼らの手にかかると,難しい(難しそうに見える)理論も,なるほどそういうことだったのか,と思えるのが不思議である。 ところで,こういった入門的な本の場合,その賞味期限が切れてないかどうか,また,日本の実情とマッチするかどうかが気になる点である。原書は1995年に刊行されているので,はたして15年前のものを現代的contemporaryと言ってよいのだろうか,ということである。しかし,実際に本書を読んでみるといささかも古びた感じがしない。これは,ある意味で本書が時代を先取りしていることをあらわしているのだと思う。精神分析理論は,この15年で全体が少しずつ深められる方向で発展したのであり,まったく別の新しい方向に向かったのではない,ということがわかる。また,本書は精神分析の理論と実践の基本をきちんと押さえたものであるので,日本の読者のニードにも十分マッチしているように思われる。(中略) このように,本書は,精神分析をこれから専門的に学んでいきたいと思われる方のみならず,臨床心理や精神医学を専攻しているが,ちょっと知識として精神分析に触れてみたいと思われる方にとっても,役立つし,楽しめる本だと思う。そればかりでなく,精神分析の本質について考えたいと思っている専門家にとっても,有用な書物であると思う。

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