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日本の社会福祉の現状と展望

現場からの提言

日本の社会福祉の現状と展望

今日の社会福祉の課題を明らかにする

著者 三原博光
ジャンル 社会福祉・心身障害学・教育学
出版年月日 2011/01/27
ISBN 9784753310166
判型・ページ数 A5・176ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
 
第1章 孤独死から見える日本の高齢者福祉 
 はじめに/1.わが国の高齢者の現状/2.孤独死の定義に関する議論/3.孤独死の実態/4.高齢者の生活実態/おわりに
第2章 障害者福祉の現実――障害者家族と障害者施設職員の実情,大学による地域の障害者への実践活動  
 はじめに/1.障害児(者)に関する事件報道/2.障害者家族の事例/3.知的障害者を直接支援する施設職員の職業意識/4.大学による地域の障害者家族への余暇活動支援/まとめ
第3章 地域福祉問題――横須賀基督教社会館の取り組み
1.地域福祉問題とは/2.地域の概要/3.社会館のあゆみ/4.社会館の現在の事業/5.障害者の在宅生活/6.保育所ならびに学童保育の障害児に対する取り組み/7.乳幼児・学童コミュニティケア研究会の取り組み/8.地域の高齢者の生活と地域包括支援センター/9.コミュニティソーシャルワークとインフォーマルケアの可能性
第4章 貧困の問題――釜ヶ崎から見える日本社会と貧困  
はじめに/1.日雇い労働者の町・釜ヶ崎の労働と生活/2.行政による施策の問題/3.釜ヶ崎における日雇い労働者・ホームレス生活者医療福祉支援/4.釜ヶ崎のアルコール問題と喜望の家/まとめとして
第5章 児童福祉の危機
1.なぜ,児童虐待が生じるのか/2.児童虐待から見えてくる子どもたちの実情/3.児童虐待の対策/4.日本の児童の未来
第6章 メンタルヘルスとスクールソーシャルワーカー
 ――教育の場におけるPSWの存在意義
はじめに/1.スクールソーシャルワーク/2.スクールソーシャルワーカーの役割と視点/3.メンタルヘルスとSSWr/4.スクールソーシャルワーカーの活動の実際/5.スクールソーシャルワーカーの養成と育成/おわりに
第7章 原爆被爆者と医療ソーシャルワーク
はじめに/1.ソーシャルワーカーが原爆と出会うとき/2.被爆者支援の実際/3.ソーシャルワークの必要性/4.「きのこ会」の再生(再編成)/おわりに
第8章 在宅医療の生活支援への提言
はじめに/1.在宅医療と入院医療/2.社会的問題の支援/3.現在に求められる在宅医療/おわりに
第9章 社会福祉士養成教育の現状と今後の展望――ライセンス付与型教育からプロフェッション養成型教育へ
はじめに/1.社会福祉養成教育の現状/2.社会福祉養成教育の見直し/3.社会福祉士養成の展望/おわりに
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内容説明

1987年,社会福祉・介護福祉の専門家養成のために社会福祉士・介護福祉士の国家資格制度が確立され,全国各地にこれら専門家養成のための教育機関(専修学校,短期・4年生大学)が開設された。2000年には高齢者介護の福祉サービスの充実と介護の社会化を目指し,公的介護保険制度が確立された。2006年には障害者の就労や地域における社会的自立が重視された障害者自立支援法が制定された。このような社会福祉施策の動向を表面的に見る限り,日本の社会福祉施策は欧米先進諸国の社会福祉施策と遜色しないものにあるように見える。ところが,現実社会に目を向けると,学校でのいじめ,児童虐待,介護虐待・殺人・心中,日雇い労働者・ホームレスの支援,年間3万人の自殺者,格差社会による貧困,社会福祉施設の低賃金と過重労働による職員の慢性的なマンパワー不足,社会福祉士・介護福祉士養成校の定員割れによる学科・学校閉鎖などの問題が,連日,マスコミなどを通じて報道されている。このような状況を見ると,社会福祉施策と現実問題のギャップがあまりに大きいと感じざるを得ない。 一方,日本の社会福祉の学術的団体である日本社会福祉学会に目を向けると,5000人規模の大きな団体となり,出版される学術雑誌も他の学会に見劣りしない学術的レベルになってきた。しかしながら,雑誌の学問的レベルが高度になったとしても,その内容が社会福祉の現場の問題解決に貢献できないのであるならば,それは大学の研究者集団の知的遊びになってしまうのではないかと考えられる。阪神淡路大震災時,被災者の生活・心理的状況を調べるために全国の社会福祉・心理学系の大学から仮設住宅の被災者の方々へ膨大なアンケート調査が送られ,被災者の方々はその処理に困ったという。また,ホームレスを支援している団体に大学関係者が訪れ,ホームレスにアンケート調査を実施し,調査結果のデータが得られた後,その大学関係者はまったく団体を訪れることがなく,ホームレスは単なる大学の研究者の研究対象のみの存在であったのかという疑問をホームレスの支援関係者から聞いた。 編者は,大学に身を置きながら,日本の社会福祉学会や社会福祉行政のあり方に疑問を感じた。そのような状況のなかで,社会福祉の一般的なテキストではなく,わが国の日本の社会福祉の現場の実情を一般の人々に訴える専門書を出版できないのであろうかと考えた。そこで,編者は,各社会福祉領域の現場との結びつきを大切にしながら,フィールドワークをされている専門家の方々に,現実の社会福祉問題を社会福祉の学生,従事者,一般の人々に訴える内容の執筆をお願いし,その結果,本書が出版されたのであった。読者は,本書を読めば,日本の社会福祉が抱える現実問題と展望を認識することができよう。

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