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米国クライン派の臨床

自分自身のこころ

米国クライン派の臨床

明晰かつ率直な形式で書かれた精神分析についての卓越した分析

著者 ケイパーR.
松木邦裕
ジャンル 精神分析
出版年月日 2011/08/03
ISBN 9784753310258
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
第1章 イントロダクション  1
第2章 精神分析と暗示:ジェイムス・ストレイチーの「精神分析の治療作用の本質」再考  
第3章 精神分析は治すのか? 精神分析技法論への寄与  24  
第4章 変化をもたらす解釈をすることの難しさについて  41  
第5章 臨床的事実とは何か? 精神分析技法論への寄与  58
第6章 心的現実と転移分析  78
第7章 精神病理と原始的精神状態  92
第8章 遊び,創造性そして実験  111
第9章 内的対象  127
第10章 自分自身のこころ  148
第11章 アルファ機能について  170
第12章 コンテイナーについての一理論
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ロバート・ケイパー博士は,リード大学とUCLA医学部とを卒業している。彼は,カリフォルニア精神分析センターの訓練・スーパーバイジング分析家であり,Immaterial Facts: Freud's Discovery of Psychic Reality and Klein's Development of His Workの著者である。彼には,精神分析の理論や技法に関する数多くの論文があり,そのうちの多くが本巻に登場している。

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内容説明

監訳者あとがきより● 本書の著者ケイパーについてはここにあらためて述べるまでもない。ビオンのアナライザンドであり後には同僚でもあったメイソンに薫陶を受けたケイパーは,米国西海岸の精神分析家であり,グロトスタインと同様に米国クライニアンと呼べる分析家である。クラインとビオンの精神分析を基底に置き,オリジナルな精神分析を築き上げている。その在り方には同じ西海岸のオグデンとも近似した姿勢があるが,オグデンに較べるとよりクライン‐ビオンに忠実な精神分析を構築している一方,グロトスタインほどビオン一色でもないところに彼独自の位置があると私はとらえている。そこには,もともと物理学を学んでいたという経歴に見られる科学的方法論を確実に身につけた彼の学問的姿勢と,論文にちらちらと現れる自我心理学的見識という米国の風土がもたらしたものが,彼をして達成させたと言えるのかもしれない。本書ではジェイムス・ストレイチーの名高い「精神分析の治療作用」論文がたびたび批判的に評価される。それは,ストレイチーの論文がクライン派精神分析にとっても自我心理学にとってもマイルストーン的技法論であるところから必然的といえる選択であったとみられよう。そうした精神分析の作用の探究とともに,精神分析手法のゴールと特異性を追求している。 私たち精神分析臨床家にとって精神分析の学びと訓練は,その伝統の正確な継承で終わってはならないと私は考えている。伝統の確実な継承の上に,その臨床家独自のパーソナルな精神分析が成就されてこそ,私たちが自分自身として分析場面で真に機能できることになる。私たちが先達の複写にすぎないのなら,それがいかに正確なものであろうとも,私たち自身のこころからのことばをアナライザンドに伝えられないであろう。なぜなら,フロイトその人が先輩医師ブロイエルのものではないフロイト独自のものを達成し,それを精神分析と名づけた。クライン,ビオン,ウィニコットしかりである。そしてその在り方を,本書を通してケイパーが私たちに見せてくれる。 本書は,読者の精神分析的思考を攪乱する触媒として作用するであろう。その攪乱から何をつかむかは,読者各自に委ねられている。

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