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松木邦裕との対決

精神分析的対論

松木邦裕との対決

稀有な分析家との交流から生まれる体験

著者 細澤 仁
ジャンル 精神分析
出版年月日 2012/04/10
ISBN 9784753310425
判型・ページ数 A5・216ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次■
まえがき
イントロダクション
・精神分析的方法についての覚書──現象・理解・解釈(松木邦裕)  
対決一 悲しみをこころに置いておくことをめぐって
・悲しみをこころに置いておけないこと──抑うつ状態についての覚書(松木邦裕)
・悲しみをこころに置いておけるために──攻撃性の解釈から〝見えない連結?の解釈へ(祖父江典人)
対決二 終結をめぐって
・分析臨床の終わり、分析的思考のはじまり──「ひとつの終わり──終結をめぐる論考」をめぐって(上田勝久)
対決三 情緒的に受け入れることをめぐって
・パーソナリティ障害とのかかわりでの逆転移──逆転移での共感、憎しみ、そして悲しみ(松木邦裕)
・客観性の萌すところ(関真粧美)
対決四 心身症治療をめぐって
・精神分析的心理療法過程と罪悪感──心身症によるイラストレーション(松木邦裕)
・心身症に対する精神分析的アプローチに関する一考察(岡田暁宜)
対決五 退行をめぐって
・退行と転移(松木邦裕)
・退行をめぐって(細澤仁)

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内容説明

この書物は、松木邦裕先生の還暦記念論文集という趣旨を有していますが、まったくの偶然の産物です。 平成22年の年末に、私は松木先生と宴席で酒を酌み交わしていました。その中で、偶さか、松木先生の還暦の話が出ました。私が松木先生に還暦記念パーティーや還暦記念出版などの予定があるのかを何とはなしに尋ねたところ、松木先生はそのような慣習的な行為は好まないとのことでした。その際に、私の中に、従前から私の中に存在していた、松木先生の論文にもの申したいという気持ちを強く意識しました。これは、それを公式に表明する千載一遇のチャンスだと直観しました。そこで、私は、慣習的なものでなければよいのかと屁理屈をこね、弟子たちが師匠を称揚するという従来の還暦記念論文集ではなく、松木先生にもの申すという趣旨の「対決本」を出しましょうと提案しました。このような酒の席の無礼講みたいな企画を、なぜか松木先生は快く了承してくれました。このことは、松木先生の度量の深さを示すと共に、松木先生の性格の偏向を示しているように思います。そもそも、師匠(私は松木先生のことを勝手に師匠と思っています。松木先生はそもそも誰とも師弟関係ではなく、同僚であると言い張っていますが)に、このような失礼な振る舞いに及ぶ私は相当に性格がねじ曲がっていると言えましょう。私の考えでは、弟子の義務は師匠を殺すことです。無論のこと、私の修業がまだまだ足りないため、この書物で目的は達していません。次の「古希」でチャンスをうかがいたいと思います。 「対決」ということばのセンセーショナルな響きに眉をひそめる良識的な読者もいることでしょう。しかし、私はこのやや下品なことばこそがこの書物のあり方を体現していると思っています。幸いにも、松木先生もこのタイトルを気にいってくれました。 次に、著者の選定が問題となりました。通常なら還暦記念論文集ということもあり、松木先生の弟子や松木先生と縁が深い臨床家に依頼するのが筋というものでしょう。しかし、私はこの書物の趣旨を考え、むしろ、松木先生との関係が薄いけれども、松木先生の考えに関心を持ち、なおかつ、松木先生と異なる考えを持っている臨床家に依頼することにしました。そのため、おそらく松木先生との縁がもっとも深い九州の精神分析臨床家がひとりも入っていないという事態になってしまいました。このような私の個人的気持ちから出発した企画に快く参加していただいた各著者にも深謝したいと思います。 また、読者へのプレゼントとして、還暦を迎えた松木先生の技法論の現在を表す論文を掲載しました。このようなパーソナルな企画に関心を寄せていただいた読者へのささやかな感謝の気持ちです。 かくのごとく、この書物はあらゆる意味で型破りであると思います。このような型破りの何かを生み出す土壌を育む松木先生はやはり至極稀有な存在なのでしょう。私のような「反逆児」でも受け入れてもらい、松木先生にはとても感謝しています。 (細澤仁 まえがきより抜粋)

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著者情報

細澤 仁

1963年 栃木県に生まれる 1988年 京都大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業 1995年 神戸大学医学部医学科卒業 2001年 神戸大学 大学院 医学系研究科 助手 2007年 兵庫教育大学 大学院 学校教育研究科 教授 2010年 椙山女学園大学 人間関係学部 教授 2012年 関西国際大学 人間科学部 教授 専 攻 精神医学,精神分析,臨床心理学 現 職 アイリス心理相談室,フェルマータ・メンタルクリニック

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