ホーム > 方法としての動機づけ面接

方法としての動機づけ面接

面接によって人と関わるすべての人のために

方法としての動機づけ面接

その適用範囲を広げつづける「動機づけ面接」の本邦初の解説書

著者 原井宏明
ジャンル 心理療法・カウンセリング
行動療法・認知療法
出版年月日 2012/05/02
ISBN 9784753310432
判型・ページ数 A5・296ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

●目 次
緒言 MI ready to start?
 この本を読む人に問う
 失望が創造する
 読む理由
 動機づけ面接のスピリット
 では指南書ではない?
 注意事項
第I章 概念 MI as a concept
 動機づけ面接とは
 MIの歴史
 MIという態度:スピリット
 MIではないもの
第II章 方法 MI as a style of communication
 O:開かれた質問(オープニング)
 A:是認(あれとこれ)
 R:聞き返し(理解を深める)
 S:サマライズ(先に進むためのステップ台)
第III章 介入 MI as an Intervention
 面接から巻き込んでくる強迫性障害
 ネット相談におけるMI
 ここまで増幅した聞き返しにも肯定する全般性不安障害の患者
 家族療法としてのMI(CRAFT)
 私が私をトレーニングする
第IV章 研究 MI as a research agenda
 MIは面接を技術にする
 言語行動と関係性を評価する
 言語を分析する
第V章 態度 MI as an attitude
 非特異的という特異的な治療因子
 プラセボ反応とは
第VI章 結んで開いて MI to close and open new lines
 O:開かれた質問を開く
 自己是認
付 録
 Ⅰ 援助反応質問紙
 Ⅱ 動機づけ面接スキルコードマニュアル第2.1版
 Ⅲ 動機づけ面接治療整合性尺度第3.0版・日本語版
 
----------------------------------------
原井 宏明(はらい・ひろあき)
1984年 岐阜大学医学部卒業,ミシガン大学文学部に留学(文化人類学専攻)
1985年 神戸大学医学部精神科で研修
1986年 国立肥前療養所精神科医師
1998年 国立菊池病院精神科医長
2001,2002年 ハワイ大学精神科アルコール薬物部門留学
2003年 国立菊池病院臨床研究部長
現  職:医療法人和楽会なごやメンタルクリニック 院長,精神保健指定医,日本行動療法学会認定専門行動療法士,動機づけ面接トレーナー
著 訳 書:対人援助職のための認知・行動療法―マニュアルから抜けだしたい臨床家の道具箱(金剛出版,2010),ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)をはじめる―セルフヘルプのためのワークブック(訳,星和書店,2010) ,認知行動療法による子どもの強迫性障害治療プログラム― OCD をやっつけろ!(共訳,岩崎学術出版社,2008),ACT ハンドブック(分担執筆,星和書店,2011)他 
ウェブサイト:URL http://harai.main.jp/index.html

このページのトップへ

内容説明

動機づけ面接( どうきづけめんせつ:Motivational Interviewing, 以下MI)とは米国ニューメキシコ大学臨床心理学名誉教授のウィリアム・R・ミラー Ph.D と英国カーディフ大学臨床心理学教授のステファン・ロルニックPh.D が主になって開発したカウンセリングアプローチである。MI は,クライエントの中にある矛盾を拡大し,両面性をもった複雑な感情である“アンビバレンス”を探って明らかにし,矛盾を解消する方向にクライエントが向かうようにしていく。こうすることによって,クライエントの中から動機づけを呼び覚まし,行動を自ら変えていく方向にもっていくことができる。クライエント中心かつ準指示的な方法である。  客観的にみれば,日常生活行動をすぐに変える必要がある場合でも,クライエントが必要性を感じているかどうか,さらに実際にやるかどうかは千差万別である。きっかけが与えられれば,すぐにやるという人があれば,何年でも先延ばしにする人もいる。そもそも変わる必要などない,今のままで何が悪い?と変わることを拒む人もいるだろう。MI はカウンセリングの場に臨むクライエントの動機づけのレベルは多様であるという現実を認識し,受け入れている。はっきりしているのに知らない振り,分かっているけれどできない,やっているけれど全部無駄,やりたいけれどやりたくない,このような本音と建前があり,裏表があるのは人間の常である。そして,MI は,この矛盾やアンビバレンスこそが動機づけにつながるとみなす。自ら矛盾に気づくことができれば解消したくなるからである。  カウンセラーとクライエントの関係は協働的・共感的である。カウンセラーはクライエントが述べることに対する鏡のように振る舞う。ただ単純にそのまま反映する鏡ではなく,クライエントの矛盾・アンビバレンスにオートフォーカスしつつ,同時に全体像を一覧できるような鏡である。この方法によって,問題とされている行動の結果として起こる潜在的な問題や過去の経験,リスクなどに対してクライエントが自ら気づくように誘うことができる。全体像を見せることで,より良い将来をクライエントが自ら想い描き,それを達成しようとする動機づけを強める。どちらにしても,MI の戦略は,クライエントが自らの行動について違った見方をするようになり,行動を変えることによって何が得られるかを考え,最終的にはどのように行動を変えるかを明言するようになることを目指している。(第I章より抜粋)

このページのトップへ