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強迫性障害治療のための身につける行動療法

強迫性障害治療のための身につける行動療法

強迫治療の現場から学ぶ使える行動療法

著者 飯倉康郎
芝田寿美男
中尾智博
中川彰子
ジャンル 行動療法・認知療法
出版年月日 2012/05/22
ISBN 9784753310456
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
序 章 気になること―行動療法の現状に関して
|第Ⅰ部 強迫性障害とその辺縁群の分類と治療の工夫|
第1章 曝露反応妨害法が有効なOCD,有効でないOCD,工夫をすれば有効なOCD
第2章 その治療はなぜうまくいかないのか―治療が行き詰まる5つのパターン
|第Ⅱ部 曝露反応妨害法を導入する際の工夫|
第3章 心理教育を行うことで治療を進めやすくする工夫―小冊子『強迫性障害の治療ガイド』を利用した行動療法
第4章 治療への繊細な導入のしかたの工夫
第5章 入院施設のない医療機関における外来治療の工夫
第6章 ハプニングの多い入院治療での工夫
|第Ⅲ部 強迫性障害辺縁群に対する行動療法の工夫|
第7章 強迫性障害と広汎性発達障害
第8章 強迫症状を伴う児童思春期の短期治療成功例
第9章 hoarding(溜め込み)に関する近年の仮説と治療
|第Ⅳ部 行動療法を使いこなす臨床家になるために|
第10章 臨床に即した行動療法の実際―効果的な精神療法としての行動療法
第11章 行動療法を生かすための薬物療法
第12章 「行動療法家」の訓練―行動療法の治療者として自立できるための研修体験
第13章 九州大学精神科における行動療法の研修システム
第14章 行動療法治療者として自立するために必要な「考える」技術
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飯倉康郎(いいくら やすろう)
1988年九州大学医学部卒業。同大学医学部付属病院精神科,飯塚記念病院勤務,肥前精神医療センター勤務を経て,2007年より筑後吉井こころホスピタル(旧奥村病院)勤務。
主要著書に『強迫性障害の治療ガイド』二瓶社,『強迫性障害の行動療法』(編著)金剛出版,『精神科臨床における行動療法―強迫性障害とその関連領域』岩崎学術出版社ほか。
芝田寿美男(しばた すみお)
1993年長崎大学医学部卒業。大分県立病院精神科,九州大学医学部附属病院精神科神経科,肥前精神医療センターなどでの勤務を経て,2003年より福岡赤十字病院精神科副部長。
中尾智博(なかお ともひろ)
1995年九州大学医学部卒業。肥前精神医療センター,九州大学病院精神科などでの勤務を経て,2011年より九州大学病院精神科講師。
主要著書(いずれも分担執筆)に『強迫性障害治療ハンドブック』(2006)金剛出版,『臨床精神薬理ハンドブック』(2009)医学書院ほか。
中川彰子(なかがわ あきこ)
1982年鹿児島大学医学部卒業。九州大学医学部精神科,国立小倉病院,福岡家庭裁判所,九州大学医学部精神科,川崎医科大学精神科学教室などでの勤務を経て,2012年より千葉大学大学院医学研究院子どものこころの発達研究センター勤務。
主要著書『専門医のための精神科臨床リュミエール 11 精神療法の実際』(共編著)中山書店ほか。

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内容説明

この本は行動療法を学びながら実践してきた仲間によるもので,強迫の行動療法の現場がぎっしりと詰まっています。その難治性ゆえに患者,家族,治療者を悩ませる強迫という症状に,他の治療者よりはそれほどの抵抗を感じずに立ち向かえていると思えるようになれたのは,行動療法を身につけられたからだと執筆者全員が思っています。さらに,その行動療法を身につけられたのは,この強迫症状に取り組んだおかげだという気持ちも皆同じです。強迫症状は行動療法を理解し身につけるには重要な症状であるともいえるでしょう。 行動療法に限らず,精神療法を身につけることはその人のおかれた環境に非常に左右されます。特に行動療法は技法を目の前の患者さんに応用することで治療として完成してゆく治療法なので,本などでひとりで学ぶ勉強のみでは有効な治療ができるレベルに到達するのはとても困難です。先に「仲間」と書いたのですが,行動療法を身につける環境ということでは私たちはかなり幸運な仲間なのだということを感じています。わが国の行動療法のパイオニアである山上敏子先生から九州大学精神科,肥前医療センターで指導を受けながら,あるいはその臨床に触れた仲間との切磋琢磨を通して行動療法の修業を続けることができているという幸運です。 この本はそのような私たちの日々の強迫の臨床を読者にお伝えして,私たちと同じように行動療法を身につけていただければ,と願って編まれたものです。ひとりで学ぶ行動療法の勉強と臨床現場でうまく強迫症状を治療できるようになる橋渡しになれば,との思いからです。もう少し言えば,私たちの与えられた幸運をそのままにしてはいけないという,執筆者の中では山上先生から一番身近で薫陶を受けた飯倉の危機感も孕んだ強迫症状の治療者としての強い責任感がこの本を送り出しました。ちなみに,序章において飯倉は行動療法をめぐる誤解について触れ,そのような誤解を解いています。(中略) 行動療法は患者の生活の中で症状を把握し,生活の中でその変容を促します。把握から変容,その変容からさらなる把握の深まりへと絡み合う治療が,患者との共同作業によってできあがってゆきます。治療が終了される時には患者の生活の“質”が変わっています。少なくともそれを目指します。強迫性障害に対しては認知行動療法の有効性が実証されているといわれていますが,その時の有効性というのは強迫症状の“量”の統計学的に有意な変化であり,有効群の患者でも生活の質の変化までには至っていないことが多いです。臨床研究で予後予測因子を検討する際には,本当はこの生活の質の変化までに至るものを含めていなければ,高度な統計学を駆使しても意味ある考察はできないと考えます。この,単なる強迫症状の量的変化と強迫を抱えた患者,家族の生活の質的変化との間を埋めるのに,本書がいくらかでも役立つことができればと願っています。(「あとがき」より抜粋)

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