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精神力動的精神療法【DVD付き】

基本テキスト

精神力動的精神療法【DVD付き】

米国精神分析の第一人者による実践的テキスト(DVD付き)

著者 ギャバード G.O.
狩野力八郎
池田暁史
ジャンル 心理療法・カウンセリング
精神分析
出版年月日 2012/09/15
ISBN 9784753310487
判型・ページ数 A5・256ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

●目次

監訳者まえがき
はじめに
第1章 主要概念
第2章 査定,適応,そして定式化
第3章 精神療法の勘所
第4章 治療的介入──治療者は何をいい,何をするのか?
第5章 目標と治療作用
第6章 抵抗に取り組む
第7章 力動的精神療法における夢と空想の使用
第8章 逆転移を見定め,取り組む
第9章 やり通すこと,そして終結
第10章 スーパービジョンの使用
第11章 長期精神力動的精神療法における中核能力を評価する
訳者あとがき
索 引
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狩野力八郎(かの りきはちろう)
1945年 満州に生れる
1971年 慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学医学部精神神経科教室入室
1975年 東海大学医学部精神科学教室
1981年~83年 メニンガー・クリニックおよびトピカ精神分析研究所に留学
1987年 国際精神分析学会正会員
2001年 東京国際大学大学院臨床心理学研究科教授
専 攻 精神医学,精神分析学
現 職 東京国際大学大学院臨床心理学研究科教授
著訳書 性格の障害(異常心理学講座,みすず書房)
青年期のひきこもり(共編著,岩崎学術出版社)
重症人格障害の臨床研究──パーソナリティの病理と治療技法(金剛出版)
こころのマトリックス(監訳,岩崎学術出版社)
メンタライゼーションと境界パーソナリティ障害(監訳,岩崎学術出版社)
方法としての治療構造論(金剛出版)
メンタライゼーション・ハンドブック(監修,岩崎学術出版社)他

池田暁史(いけだ あきふみ)
1972年 山形県に生まれ,天然の山菜やキノコを満喫して育つ
1999年 東京大学医学部卒業,東京大学医学部精神神経科入局
2003年 杏林大学医学部精神神経科学教室助教
2011年 文教大学人間科学部臨床心理学科准教授
専 攻 精神分析,力動精神医学
現 職 文教大学人間科学部臨床心理学科准教授
著訳書 自我心理学の新展開(分担執筆.ぎょうせい)
患者理解のための心理学用語(分担執筆,SMS)
米国クライン派の臨床(共訳,岩崎学術出版社)
メンタライゼーション・ハンドブック(訳,岩崎学術出版社)他

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内容説明

著者であるギャバードについては,改めて説明するまでもなかろう。かつてはカンザス州トピカにあり,いまはテキサス州ヒューストンに居を移したメニンガー・クリニックを中心に活動する彼は,同時に,全米を代表する精神分析家でもある。彼の名が何故これほど広く知れ渡っているのかといえば,彼が米国の精神医学界に精神分析の意義を強くアピールし続けている分析家だからである。実際,直近の5年(2007年~)をみても,最高水準の精神科専門誌である “The American Journal of Psychiatry” 誌に,彼は5本の論文を載せている。  生物学全盛の米国精神医学においてこれは破格の数である。もちろん,これを米国精神医学の懐の深さと捉えることも可能ではある。しかし,これだけの業績は,精神分析の立場から精神医学へ向けた発言を続けようという彼の強い意思と努力とを抜きにしては,到底実現しえないものであることは,1度でも英文誌に投稿したことのある読者には容易に推察できることではないかと思われる。  本書は,いわば米国精神分析界の第一人者による精神力動的精神療法の基本テキストである。本来は,米国で精神科専門医を目指すレジデントのために企画された精神療法の入門書の中の1冊なのだが,著者自身が冒頭で記しているように,精神科医のみならず,心理職,ソーシャルワーカーから看護師まで,精神分析に方向付けられた精神療法を学び始めた,あるいはこれから学ぼうとしているすべての人にとって「最初に読むべき本」として機能することを願って書かれた本である。  本書を訳した立場として,一言述べれば,著者の願いは充分に達成されていると思う。精神力動的精神療法の基本概念,そして実際に患者と出会うところから治療を終結するまでの治療手順,さらには精神力動的精神療法の訓練および評価についての留意点に至るまで,臨床実践としての精神力動的精神療法の要点が実にコンパクトにまとめられた良書であると思う。本書で解説される内容が,精神力動的精神療法のきわめて正統的な考え方であるということには,異論のある読者は少ないのではなかろうか。  本書は入門書であり,著者のオリジナルな思考を展開する類の本ではないので,特に内容に関して訳者がここで解説する必要もないように思う。それでも幾つか本書の特徴について述べておきたい。第1に,本書は教科書であり,初学者が冒頭から通読することを意図して作られている。しかしながら,第1章には,いきなり脳科学の最新知見や,認知科学の実証研究の話題などが登場するため,いささか面食らってしまう読者もいるかもしれない。そうした方は,そこで諦めて本を置いてしまうことをしないで,どうか第2章以降を先に読んでいただけたらと思う。そして最後まで通読したうえで,時間のあるときに改めて第1章に戻っていただければよい。  第2に,本書には,著者であるギャバードと患者を演じる役者とによる臨床ヴィネットを収録したDVDが付属している。精神分析あるいは精神力動的精神療法の書物で,こうした視聴覚教材を備えているものは相当に珍しい(今後は増えるかもしれないが)。読者は,ベテランの臨床家の面接場面を,ほぼ実際に近い形で目にするという幸運を経験することができる。これは,本文中の豊富な臨床例と共に,読者の理解を助けるうえで大きな役割を果たすであろう。  第3に,いささか我田引水の感がないでもないが,本書では「メンタライゼーション」の概念が,ほぼ当然のものとして登場してくる。メンタライゼーションについては,われわれのグループを中心に,日本への紹介を進めているが,なかなか思ったほどには普及していかないというのが個人的な実感でもある。本書を読めば了解いただけるであろうが,いまや米国の力動精神医学の世界において,メンタライゼーションは必要かつ不可欠な概念になっている。

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