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双極性障害の認知行動療法

目次

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 著者紹介
 序  文
 謝  辞
第1章 双極性障害・序論
第2章 現在行われている治療のレビュー
第3章 双極性障害の心理社会的モデル
第4章 双極性障害の認知行動的介入モデル
第5章 治療前評価
 第5章付録A Dysfunctional Attitude Scale(24 項目版)(Power ら1994)
 第5章付録B Manic Depression Questionnaire(Hayward ら2002)
 第5章付録C Self-Control Behaviour Schedule(Rosenbaum 1980)
 第5章付録D Internal State Scale(ISS)第2版
 第5章付録E Mania Rating Scale(Bech ら1978)
 第5章付録F Altman Self Rating Mania Scale(ASRM)(Altman ら1997)
第6章 モデルの導入
 第6章付録A 双極性障害(躁うつ病)―患者教育用パンフレット
 第6章付録B 双極性障害と薬物療法
第7章 目標設定
第8章 認知的技法
第9章 行動的技法
第10章 セルフマネジメントと前駆症状への対処
第11章 長期的な問題,双極性障害と自己
第12章 家族および社会的側面
第13章 対人関係とサービスに関連した問題
 文  献
 監訳者あとがき
 索  引
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北川 信樹(きたがわ のぶき):監訳,第2章,第3章,第4章,第5章担当
1991年 北海道大学医学部医学科卒業
1991年 北海道大学医学部精神医学講座入局,北海道立向陽ヶ丘病院勤務を経て
1995年 北海道大学病院精神科神経科医員
1999年 同助教,同病棟医長,同外来医長,市立稚内病院精神神経科主任医長等を経て
2009年 北海道大学大学院医学研究科神経病態学講座精神医学分野医局長
2012年 北海道医療大学看護福祉学部臨床福祉学科医療福祉臨床学講座教授
現 職 北海道医療大学看護福祉学部臨床福祉学科・同大学院看護福祉学研究科教授
著 書 (以下すべて共著)『認知療法ケースブック』(星和書店),『TEXT BOOK 女性心身医学』(永井書店),『パーソナリティ障害の認知療法―ケースから学ぶ臨床の実際』(岩崎学術出版社),『さあ! やってみよう 集団認知行動療法―うつ・不安への支援のために』(医学映像教育センター),『精神疾患と認知機能―最近の進歩』(新興医学出版社)など
訳 書 『 拒食症サバイバルガイド―家族,援助者,そしてあなた自身のために』(共訳,金剛出版),『双極性障害の心理教育マニュアル―患者に何を,どう伝えるか』(共
訳,医学書院)
 
賀古 勇輝(かこ ゆうき):監訳,第2章,第6章,第7章担当
1999年 北海道大学医学部医学科卒業
1999年 北海道大学医学部精神医学講座入局,市立室蘭総合病院精神科神経科勤務を経て
2003年 北海道大学病院精神科神経科医員
2008年 同助教
2009年 同助教,同病棟医長
現 職  北海道大学大学院医学研究科神経病態学講座精神医学分野,北海道大学病院精神科神経科助教,同病棟医長

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内容説明

臨床で本疾患の患者さんに数多く接するうち,彼らに心理療法的援助がいかに必要かを痛切に感じることは多かった。薬物療法以外に予防的に何かできることはないだろうか,アドヒアランスを効果的に高める介入とは何か,生物学的理論とどのように統合して心理的介入を行ったらよいのか,度重なるエピソードの反復のために歪み傷ついた自己像,疾患で背負うスティグマ,これらにどう対応していくべきなのだろうか……。課題は山ほどあるように感じられた。そして,何より当事者自身も何らかの心理療法を求めているのは明らかだった。  本書の初版は1999年に発刊された。この間,気分障害臨床の変化には著しいものがあった。うつ病概念の拡散と患者数の著しい増加に引き続き,双極性障害の概念もまた拡大し,そのことに注意を払い診断する機会が随分と多くなった。ところが,たとえ診断がついたとしても,残念ながらその後の心理療法的戦略というとはなはだ心許ないものしか持ち合わせていないのが我々の実情である。また,うつ病に対する復職支援(リワーク)プログラムが近年わが国で注目されるようになったが,ここでも双極性障害の問題は大きいと感じた。復職できずに慢性化している多くの患者さんに双極性障害が少なくないからである。  一方,双極性障害に対するCBTのエビデンスはその後も着実に増えて,ますます無視できないものとなりつつある中,2010年に本書の第2版が登場した。  本書のアプローチはCBTを双極性障害用にアレンジしたものであり,技法そのものも正統的な内容である。しかしながら,決して心理療法のみに先鋭化するのではなく,生物学的理解を統合した理論に基づきつつ,極めて常識的かつ良識的に治療論が展開されている。何より素晴らしいと感じるのは,実地臨床における治療の限界を謙虚に認めつつ,そこでもCBTの基本である協同作業を貫きクライアントに寄り添い続ける臨床姿勢である。本書は,双極性障害で生ずるさまざまな心理的問題に対し,CBTまたは体系的精神療法に何ができるのかを問うた意欲作と言っても過言ではない。極めて臨床的な問題を詳細かつ丁寧に検討していくその著述は,数多くの臨床例に日々全力で向き合ってきた者でないととても書けないものであることは明らかである。明日からでも臨床で使える知恵に満ちたものだと思う。私はCBTとは,当事者の視点に立ち,彼らを深く理解するためのツール,いわば我々が彼らの元へきちんと“降りていく”ためのツールの一つであると思っている。だからこそ,本書に出逢えたことは,我々臨床家としては実に意義深いことであった。  双極性障害は今なお治療がとても難しい疾患の一つであることは間違いない。そこからの回復は,たくさんの人々の有形無形の力と,多くの治療的介入の積み重ねがあってこそ初めて可能なのだと考える。精神障害の治療は概して「総力戦」なのである。だからこそ,我々臨床家の“引き出し”は多ければ多いほど良いのだと思っている。私たちは,今ここで一つの大きな“引き出し”を手に入れた。本書を本邦に紹介することで双極性障害の臨床が少しでも豊かになり,数多くの当事者の回復に?がるならば,それは翻訳者一同としてこの上ない喜びである。

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