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現代対象関係論の展開

ウィニコットからボラスへ

現代対象関係論の展開

現代対象関係論を通して精神分析を語りつくす

著者 館直彦
ジャンル 精神分析
出版年月日 2012/10/01
ISBN 9784753310500
判型・ページ数 A5・192ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●

 序 章 
第1部 英国独立学派の対象関係論の展開
 1 英国独立学派の精神分析  
 2 ウィニコットの対象関係論  
 3 ボラスの対象関係論  
第2部 早期発達と自己の病理  
 4 早期発達の理論  
 5 心とは何か  
 6 スキゾイド再考  
 7 ウィニコットの心身症(精神‐身体障害)論 
第3部 遊ぶこと,自発性  
 8 コミックとしての世界  
 9 遊ぶことの論理  
 10 自由連想することの意義 
 11 終わりのない質問 
 12 音楽と精神分析
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館 直彦(たち なおひこ)
1953年 東京に生まれる
1981年 大阪大学医学部卒業
1995年 東京慈恵会医科大学講師
現 職 天理大学大学院臨床人間学研究科教授,個人開業
著訳書 『境界例』(共編著)岩崎学術出版社,ボラス著『精神分析という経験』『対象の影』岩崎学術出版社,エイブラム著『ウィニコット用語辞典』(監訳)誠信書房 その他多数

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内容説明

この本は,内容的には,「私の精神分析」あるいは「私の対象関係論」と名付けるのが相応しいかもしれない。というのはたしかに本書で取り扱っている内容は英国独立学派の対象関係論であるが、伝えようと思っていることは,あくまで私なりの対象関係論の理解だからである。本書を書きながら,私には言いたいことがあり,それを是非とも誰かに聞いてもらいたいと思っていることに気がついた。そしてこれは精神分析を受けている患者と同じ気持ちなのだろうと思った。 通常,分析を受けていると,初めは諸々の抵抗が頭をもたげてきて,こんな話をしていて一体何になるのか,この作業は意味があるのか,とかいった気持ちが浮かんでくるものであるが,それが徐々に,自分は話したいし,聞いて欲しいのでここで話している,という気持ちに置き換えられていくことを私たちは知っている。だからと言って,ここで私の語ることが,私の個人的な連想に限られているというわけではない。内容的に言えば「私の精神分析」なのだから,そこには「私」が色濃く反映していることは否めないが,それでも読んでもらう価値はあると思うのである。しかし,私は何を話したいのだろうか? この本は,現代の英国独立学派の対象関係論がテーマの本なので,内容としては,早期発達やその病理,遊ぶこと,創造性などを取り上げている。その内容を聞いて欲しいということだろうか? それは確かにそうであるが,それだけではない。つまり,聞いて欲しいのはその内容なのではなく,私との対話dialogueに参入して欲しいということ,そしてそこで展開する関係性に身を任せながら,あなたの話を聴かせて欲しい,ということである。それでは,この私の聞いて欲しいと思う気持ちは,何に由来するのだろうか? その答えはビオンBion, Wが言うように,「思考するためには二つの心が必要である」ということの中や,ウィニコットWinnicott, D.Wの言うように,「一人の赤ん坊というものはいない」という筬言の中にあるといえるだろう。私は聞いて欲しいのだが,私のプライベートを知って欲しいということではない。そうではなく,「私の精神分析」について,私と対話をして欲しいということである。対話をしてどうなるのか,対話を通して何が生まれるのか,それは今のところ分からないのだが,対話をすることで何かが生まれる予感があるということであり,変形transformしていくことが予測される。つまり,私とあなたが,ただ単に同じ世界を生きているというだけでなく,お互いに変形する関係になる,ということである。

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