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子どもを理解する〈2~3歳〉

タビストック 子どもの心と発達シリーズ

子どもを理解する〈2~3歳〉

複雑な心の世界を事例を通して生き生きと描く

著者 ミラー L
エマニュエルL
平井正三
武藤誠
ジャンル 発達・思春期・老年
出版年月日 2013/11/11
ISBN 9784753310685
判型・ページ数 A5・200ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

目次●
巻頭言
第Ⅰ部 2歳の子どもを理解する
はじめに
第1章 自己の感覚
第2章 自分の面倒をみることを学ぶ
第3章 さまざまな関係性
第4章 心と体の発達
第5章 親
おわりに
第Ⅱ部 3歳の子どもを理解する
謝 辞
第1章 子どもを理解する
第2章 家族生活
第3章 家族の中の新しい赤ん坊
第4章 怒りに上手く対処する
第5章 いろいろな課題を克服する
第6章 幼稚園に行く
おわりに

読書案内
監訳者あとがき
索 引
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平井正三(ひらい しょうぞう)
1994年 京都大学教育学部博士課程 研究指導認定退学
1997年 英国タビストック・クリニック児童・青年心理療法コース修了
帰国後,佛教大学臨床心理学研究センター嘱託臨床心理士,京都光華女子大学助教授などを経て,現在,御池心理療法センター(http://www.oike-center.jp/)にて開業の傍ら,NPO法人子どもの心理療法支援会(http://sacp.jp/)の理事長を務める。2011年より大阪経済大学大学院人間科学研究科客員教授に就任。

武藤 誠(むとう まこと)
2003年 京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
専 攻 臨床心理学
現 職 淀川キリスト教病院 精神神経科 心理療法室
NPO法人子どもの心理療法支援会正会員

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内容説明

監訳者あとがきより抜粋■  本書は,一般的にもむずかしい年齢と言われる2,3歳児の心の世界を扱っています。この年代の子どもは運動能力がぐんと高まり,さまざまな活動を自分の力で行うことができるようになります。さらに,言葉によるコミュニケーションも板についてきます。自分はなんでもできるのだ,という強い自負も生まれてきます。しかしその一方で,多くのできないことにぶつかっては,ひどく落胆し,怒り,悲しみ,その気持ちを親をはじめとする大人に理解され支えてもらう必要もあります。高揚と落胆,喜びと怒り,悲しみといった極端な感情が複雑に入り交じるなか,子どもは大人の助けを借りながらも,自分という感覚を発展させていきます。本書では,この時期の子どもの複雑な心の様子が,さまざまな場面の事例を通して,生き生きと描き出されているように思われます。また,子どもの様子だけでなく,その子どもに関わる大人の心のあり方を通して,子どもの心が理解されていきます。  読者の中には,本書にとまどいを感じる方もいるかも知れません。本書には,「この時期の子どもとどのようにつき合ったらよいか」といったアドバイスはありません。さらに,この時期の子どもの一般的なあり方についても,最小限にしか記載されていません。これらの点で,本書は,この時期の子どもの一般的な心理や,おおむね有効とされる対処法を得るために相応しい本ではありません。  本書で描き出されているのは,ありとあらゆる形で,自分の感じていることを伝えてくる子どもと,子どもが伝えてくることに,狼狽え,困惑し,時にしっかりと受けとめる親たちの姿です。著者たちは,子どもと親たちとの間に起きる出来事をありのままに描き出すことによって,子どもについての理解だけでなく,「子どもを理解していくプロセス」そのものを伝えようとしているように思います。  この「子どもを理解していくプロセス」の背景には,心理治療(とくに精神分析)の実践から導き出された洞察が含まれています。それは,心は単独で形づくられ育っていくものではなく,重要な人との情緒的な関わりを通して形づくられ育っていく,という洞察です。本書の中の事例のほとんどで,子どもは自分のしていることがどんな意味を持っているのか知りません。ただ,感じたままに振る舞っています。しかし,その振る舞いは,それを受け止める親たちの心に,さまざまな思いを引き起こします。親たちは,時に怒り,落胆し,無力感に陥り,悩みます。ところが,そういった感情にじっくりと取り組んでいると,まさにそういった感情の中に,子どもの行動の意味や,そこに含まれている感情の意味を理解するヒントが現れてくるのです。このようにして得られた理解は,親たちの子どもに対する振る舞いや働きかけに反映され,そこから子どもは理解されていると感じ,その時にいたって,自分の感情の意味をみずから悟るのです。  こう書くと簡単なことのように思われますが,子どもから発信されるさまざまなことを受け止めることがいかに困難で,苦痛を強いられることであるのかは,本書の事例からも感じられることでしょうし,育児や子どもに関わっている人にとっては,日々実感するところでしょう。子どもから発せられるさまざまな情動は非常に強く,一人だけで受けとめられることの方が少ないくらいです。そこで受けとめる親たちにも,親たちの心を受けとめる援助が必要です。母親が十分に受けとめられないときには,父親が母親を受けとめ,家族で受けとめられないときには,友人や親同士の会,そして……。ときには専門機関の援助を必要とすることもあるかも知れません。一人の人間の心が育つには,非常に多くの人たちの心が関わっています。そして,私たちの心は,そういった心の関わりの痕跡で満ちあふれています。  本書はこのような考えにもとづいて,「子どもを理解するプロセス」そのものを読者に生き生きと,ときに生々しく伝えているように思われます。それは,子どもについての一般論とは違い,実際に子どもに関わり理解しようとするときに大きく役立つはずです。 武藤 誠

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