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摂食障害との出会いと挑戦

アンチマニュアル的鼎談

摂食障害との出会いと挑戦

熟達の治療者がいきいきと伝える臨床感覚

著者 松木邦裕
瀧井正人
鈴木智美
ジャンル 精神医学・精神医療
出版年月日 2014/10/16
ISBN 9784753310791
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫あり
 

目次

プロローグ──鼎談を始めるにあたって 松木邦裕

Ⅰ イントロダクション
 何故にこの鼎談か
 摂食障害の歴史
 臨床での問題点
 摂食障害との出会い
Ⅱ 摂食障害とは何か
 見立て
 病の本態
Ⅲ 摂食障害の病態と病理
 病 態
 病 理
Ⅳ 摂食障害の治療
 こころの問題を回避させない
 やせている体をどう手放すか
 「否認」の問題を明らかにすること
Ⅴ 摂食障害の予後と予防
 治癒はあるのか
 予防はできるのか
 家庭のあり方、親子関係のあり方
Ⅵ 要 望
 治療者に伝えたいこと
 患者さんと家族に伝えたいこと

補遺 摂食障害の精神分析的な理解とアプローチ 松木邦裕

エピローグ──幕を閉じる前に
 
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松木邦裕(まつき くにひろ)
1950年 佐賀市に生まれる
1975年 熊本大学医学部卒業
1999年 精神分析個人開業
現 在 京都大学大学院教育学研究科教授,日本精神分析協会正会員,日本精神分析学会運営委員
瀧井正人(たきい まさと)
1950年 京都市に生まれる
1977年 早稲田大学第一文学部卒業
1987年 九州大学医学部卒業,同心療内科入局。九州大学病院心療内科講師を経て,
2013年 北九州医療刑務所
現 在 北九州医療刑務所長, 九州大学病院心療内科非常勤講師,摂食障害学会理事,心身医学会代議員,心療内科学会評議員
鈴木智美(すずき ともみ)
1959年 東京武蔵野市に生まれる
1987年 福岡大学医学部卒業
1993年 福岡大学大学院医学研究科卒業
福岡大学病院精神科講師を経て,
現 在 可也病院(福岡)勤務,日本精神分析協会正会員,日本精神分析学会運営委員

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内容説明

【プロローグより抜粋】摂食障害については、これまで多くの著作が著わされています。その中には治療ガイドラインや治療のハウトゥを示したものも幾つかありますが、そうした指針や方法に従って治療を進めていこうとしてもまったくうまくいかないことは、ほとんどすべての臨床家が経験済みのところでしょう。あきれるほどに治療にならなかったとの思いを抱いた臨床家も多いのではないかと思います。あるいは、うまくいかないどころか、翻弄されてすっかり消耗してしまったという治療者も少なくないと思います。このうまくいかなさに懲りて、摂食障害を診ることをやめた治療者や治療施設も存在します。  個人的な意見ですが、その理由には、摂食障害の治療はその患者にとっても、また治療者にとっても、極めてパーソナルな経験の部分が大きいからではないかと思います。人への信頼もしくは不信というところで、摂食障害を病むその人に私たちが人間を問われる機会が、その治療過程においてたびたびあります。そして、陰に陽に問いが向けられてくるそのときをどのようにやりぬいていくかが、治療の要であると同時に、摂食障害の治療者として私たちが成長する機会でもあるのです。  ここに存在する難しさは、そのこと自体が、この手荒い経験に生き残った臨床家において初めて認識でき表現できることである、との事実にあります。摂食障害を真に治療できる治療者探しの難しさに日頃困惑しながら、このような治療経験を踏まえた摂食障害治療を、若手の、あるいは手詰まりを感じている臨床家や医療スタッフに伝えることには大きな意義があるにちがいないと私は思い至りました。そして鼎談という形式によってこそが、熟達した治療者たちの臨床感覚をいきいきとした臨場感をもって伝えることができると考えました。  こうして私はこの鼎談に、ふたりの臨床医を招きました。ひとりは瀧井正人です。大学病院での摂食障害の治療を実直に貫き通してきた心療内科医です。治療技法として認知行動療法を学び実践してきました。著書『摂食障害という生き方──その病態と治療』(中外医学社)には、瀧井の豊かな臨床経験とそこに生まれた叡智が豊饒に盛り込まれています。もうひとりは鈴木智美です。精神科医であるとともに精神分析家である鈴木は、精神分析の立場から摂食障害に取り組んできました。鈴木と私が編集した『摂食障害の精神分析的アプローチ──病理の理解と心理療法の実際』(金剛出版)には、精神分析的精神療法による鈴木の深く真摯な治療が提示されています。  治療方法は違えど、このふたりの臨床家こそが摂食障害の治療に正面から真摯かつ有効に取り組んでいることを、瀧井とは日頃の交流から、鈴木とは共に働いた経験から私は知っていました。本物の摂食障害治療者であるふたりを鼎談に招くことに、私の中には躊躇はまったくありませんでした。  私からの突然の鼎談の提案を戸惑いながらも快く受け入れ、ある日の朝にふたりの臨床家は集ってくれました。瀧井と鈴木は初対面でした。こうして摂食障害をめぐる鼎談は皮切られました。(松木邦裕)

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