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心理臨床における多職種との連携と協働

つなぎ手としての心理士をめざして

心理臨床における多職種との連携と協働

臨床におけるクライエントの利益を第一に考えるために

著者 本城秀次
河野 荘子 編著
永田 雅子 編著
金子一史 編著
ジャンル 心理療法・カウンセリング
発達・思春期・老年
出版年月日 2015/03/29
ISBN 9784753310890
判型・ページ数 A5・184ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序文
はじめに  
第1章 多職種支援における心理士の役割―心理士独自の貢献とは
第2章 周産期医療における多職種協働
第3章 出産後の家族への支援―母子保健領域での保健師との協働
第4章 幼児期の子どもへの支援―巡回指導における保育士との連携
第5章 発達障がい児への支援―地域支援におけるネットワークの構築
第6章 発達専門機関でのチーム医療の実際―幼児期から児童期の子どもへの支援
第7章 スクールカウンセリングにおける支援―養護教諭や担任との連携
第8章 スクールカウンセリングにおける支援―管理職との連携
第9章 学生相談における支援―学内外の支援者との連携
第10章 医療・保健領域における心理士への期待―児童精神科医の立場から
第11章 チーム医療での連携と協働
第12章 家族との連携
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●監修者略歴
本城秀次(ほんじょう・しゅうじ)
1949 年 京都市に生まれる
1975 年 名古屋大学医学部卒業
1985 年 名古屋大学医学部精神医学教室助手
1989 年 名古屋大学教育学部助教授
現 在 名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター 教授,医学博士
現 職 愛知児童青年精神医学会理事長
著訳書 自己の修復(共訳,みすず書房,1995)
今日の児童精神科治療(編著,金剛出版,1996)
人間発達と心理学(共編,金子書房,2000)
精神保健と発達障害の診断基準(共訳,ミネルヴァ書房,2000)
よくわかる子どもの精神保健(編著,ミネルヴァ書房,2009) ほか
子どもの発達と情緒の障害(監修,岩崎学術出版社,2009)
乳幼児精神医学入門(単著,みすず書房,2011)ほか

●編者略歴
河野荘子(こうの・しょうこ)
1998 年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学
現 在 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 准教授
著訳書 犯罪者の立ち直りと犯罪者処遇のパラダイムシフト( 共著,現代人文社,2011)
コンパクト犯罪心理学(共編著,北大路書房,2013)
犯罪からの離脱と「人生のやり直し」(共監訳,明石書店,2013)

永田雅子(ながた・まさこ)
2007 年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻後期課程中退
現 在 名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター母子関係援助分野 准教授 
著訳書 周産期のこころのケア(単著,遠見書房,2011)
“ いのち”と向き合うこと・“ こころ”を感じること(共編著,ナカニシヤ出版,2013)
臨床心理学実践の基礎 その1(共編,ナカニシヤ出版,2014)ほか
 
金子一史(かねこ・ひとし)
2002 年 名古屋大学大学院教育学研究科発達臨床学専攻博士後期課程修了
現 在 名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター 准教授
著訳書 子どもの発達と情緒の障害(共編,岩崎学術出版社,2009)
     子どもの臨床心理アセスメント(共編,金剛出版,2010)
     臨床心理学実践の基礎 その1(共編,ナカニシヤ出版,2014)ほか

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内容説明

【はじめにより抜粋】 近年,心理臨床の場は,大きく広がりを見せるようになってきています。精神科医療だけではなく,医療の様々な領域において臨床心理士が活躍するようになり,スクールカウンセラーなどの学校領域,児童福祉施設や,発達センターなどの福祉領域,職場のメンタルヘルスをあつかう産業領域,家庭裁判所や非行などにかかわる司法・矯正領域,それ以外にも被害者支援や自死遺族の支援など多岐にわたるようになってきました。その背景には,社会の中で,こころの健康をいかに保つかということが,これまでになく強く認識されるようになり,「こころのケア」が日々の生活の中でも求められるようになったということがあるでしょう。臨床心理学の領域でもクライエントが抱える心理的問題に,多数の背景要因が複雑に関与しており,臨床心理士だけでクライエントに対する支援活動を行っていたのでは,十分な貢献を果たすことが難しいということが共有されるようになっています。日々の心理臨床では,クライエントの利益を第一に考慮して,お互いの専門性を尊重した上で,心理職以外の専門職と連携することは特段珍しいことではなく,むしろ一般的になっているでしょう。
 このように専門性の違う領域と連携をして活動をすることが求められるようになってきましたが,多職種で連携をして活動をする際に,臨床心理学という専門性をどう生かすことができるのか,これまで十分な検討はされてきていなかったのではないかと思います。私たちの活動の場が,広がりを見せていったとしても,その根底に流れるのは,臨床心理学がこれまで大事に扱ってきた1対1 の面接が基本となってくることは変わりありません。出会いかかわることを通して,心の問題にとりくむプロセスの対象が,特定の一人の人ではなく,複数となり,場全体となってきたということもできるでしょう。他職種や他領域との連携が進んできたからこそ,あらためて問われるのは,「心理臨床の専門性は何か?」であるといっても過言ではないのではないでしょうか。
 本書では,「心理士と他職種との結びつき」を主テーマに,様々な領域で活動をする臨床心理士の方に執筆をお願いしました。心理的問題が複雑に,そして多様化する中,臨床心理士として,他職種の専門家たちとどのように協働し,システムを構築しているのか,臨床心理士が他職種の専門家と連携する際に,良好な協働関係を築き,お互いの専門性を尊重しつつ,効果的な支援体制を構築するためには,具体的にはどうしたら良いのか? クライエントのこころを,援助者である専門職の間でつないでいくためには,どのような点に心掛け,何に配慮すべきなのか? 他職種とは異なる心理士独自の役割とは,どのようなものであるべきなのか? 人のこころを扱う心理士だからこその心理臨床活動における他職種との協働(コラボレーション)について論じてもらいました。

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