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入門 メルツァーの精神分析論考

フロイト・クライン・ビオンからの系譜

入門 メルツァーの精神分析論考

メルツァーの独創的なアイディアと基本概念を解説する

著者 キャセッセ S.F.
木部則雄
脇谷順子
山上千鶴子
ジャンル 精神分析
出版年月日 2005/10/01
ISBN 9784753305094
判型・ページ数 A5・168ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

目次

目 次● 
第Ⅰ部投影同一化から精神分析過程へ
 第1章内的対象への投影同一化
 第2章精神分析過程 
第Ⅱ部倒錯,精神病,ドリームライフ
 第3章こころの性的状態
 第4章自閉症の探究
 第5章ドリームライフ 
第Ⅲ部崇高なものと「神秘的なもの」
 第6章審美的葛藤と謎めいた内部
 第7章閉所――内部から経験される内的世界 
付録1メルツァーとの対話:精神分析への道程――ただ一筋に生かされて 
付録2ドナルド・メルツァーとの経験から学ぶ 
解題:Dr.メルツァーとの邂逅=山上千鶴子

●ポスト・クライン派ドナルド・メルツァーの主要著作における独創的なアイディアと基本概念の解説を中心に,その業績に迫る

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内容説明

まえがきより●  このドナルド・メルツァーの業績の紹介は,フィレンツェ精神分析的精神療法学会the Florentine Association for Psychoanalytic Psychotherapyによって主催された一連のセミナーの成果によるものです。  多くのスペースが『精神分析過程The Psycho- Analytic Process』(1967)の概観と議論に充てられました。私の見解では,この本がメルツァーの仕事の基盤となるものです。その中では,後の理論(たとえば,『閉所The Claustrum』(1992)の中でさらに発展した地理的混乱の概念,あるいは後に審美的葛藤として洗練された対象の美の概念)を予感することができるでしょう。  『精神分析過程』の後に出版された著書,とりわけ,『こころの性的状態Sexual States of Mind』(1973b),『自閉症の探究Explorations in Autism(Meltzer et al.)』(1975),『ドリームライフDream Life』(1984b),『閉所』,『美の享受The Apprehension of Beauty(Meltzer & Harris Williams)』(1988)に関して,私はこれらの著書の最も重要で独創的なアイディアを強調することに努めました。タヴィストック・クリニックで行われたフロイト,クラインそしてビオンについての講義,『クライン派の発展The Kleinian Development』(1978d)の中に収録されているものは除いています。その一方で,私は議論に上っている本書のテーマの特定な側面を補足するために,『メタ心理学の拡大の研究Studies in Extended Metapsychology』(1986a),『美の理解La comprensione della bellezza』(1981a) および『誠実さSincerity』 (1994) といった様々な論文集やエッセイ集の,いくつかの章に焦点を当てています。  メルツァーの理論の発展に関して議論したいくつかの論文(Fano Cassese, 1993, 1998)について,メルツァーが価値を認めてくれたことによって,多くの聴衆にこれらのセミナーの記録を提供することを奨励されたように感じています。彼のアイディアや概念を理解することは,理性的な理解に到達するより前に,情緒的なレベルで直感的に感じられるべきものだと私は信じています。メルツァーの業績に理性的に接近しすぎると,その理解は困難かもしれません。メルツァーの最近の思索は,1998年にルーバンで行われた精神分析的精神療法のヨーロッパ連合の会議において発表された,思考過程における直感と情緒の役割について,およびビオンの思考過程のためのグリッドに対応するメルツァーの情緒のグリッドについてのアイディアでした。これらのメルツァーの思索は,このアプローチを支持しているように思われます。これは,ポストクライン派のこころに関するモデルが,私たちに与えてくれた偉大なレッスンです。このモデルは,クラインから始まりビオンやメルツァーを通して,意味の中核として,そして思考や知の発達のための基盤としての情緒に焦点を当てています。

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