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患者の心を誰がみるのか  新刊

がん患者に寄り添いつづけた精神科医・丸田俊彦の言葉

患者の心を誰がみるのか
 

目次

はじめに  「心」をみる── あなたと私の違いを受け入れて、「あなたと共にいる」ことの素晴らしさ

第一章 悩める人といつも共にいること──丸田俊彦が語った20の言葉
答えがほしい/「わかった」と心の中で思ったときに努力が止まる/相手の素晴らしさを映し出す湖でありたい/不安を共有できる関係/For whom──それって誰のため?/わからないから、もっと聞かせて/疾患中心から患者中心へ、そして、医療者と患者の関係性中心へ/関係性をめぐる暗黙の知/何を話しても大丈夫という安心感/「ちから」は内にあるもの/愛することの方が本当はこわい/お互いの主観がぶつかりあう──間主観性/「これが自分」と受け入れたとき、心地よくなれる/どこへ行くかわからないけれど、気球の旅をともに/I have a cancerとI am a cancer/動じることなく、つま先をくすぐりつづけるさざ波のような存在/理解してほしいだけ/永久に患者さんが先生/豊かなゴールをめざして/available──あなたと共にいる

第二章 患者の心を誰がみるのか
メイヨー・クリニックでの三十二年間の臨床体験から/自らががん患者となって考えたこと

第三章 チームで患者の心をみる
器に魂が入った瞬間/ブレストセンターが担うもの/昭和大学での新しいチーム医療/患者さんの痛みと共に生きる/患者さんは医師にとっての教科書/乳がん診療を通して全人的医療を学ぶ/海外と日本のカウンセリング/患者さんの心を誰がみるのか/アヴェイラブル─―丸田先生の言葉は共有できる財産

第四章 グループ・カウンセリングで患者の心をみる
キャンサーリボンズで行われたグループ・カウンセリング/カウンセリングの意味・意義/座談会 カウンセリングによってどのように患者さんの心は変わったのか

第五章 サイコセラピストとして患者の心をみる
グループ・カウンセリング──丸田先生の存在の意義/患者になること──人の心に敏感になる体験

あとがき

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内容説明

精神医療で、『共感』という言葉を使いますが、相手を理解して、相手の心の中に入るというのは、大変むずかしいのです。しかし、限りなく相手の心に近づくことはできます。」本当に「わかり合う」ことはできないにしても、近づこうとすることはできる、それが違いを受け入れるということにつながるのではないかと思います。あなたと私は違う、違っていいんだと受け入れる……、そこにやさしさが生まれて、共存していくことを許し合う。一人ひとり違うけれど、その違いを受け入れ、「あなたと共にいる」ということができるのは、とても素晴らしいことです。「あなたと共にいる」という関係をつくるために──「あなたと共にいる」ことができる人になりたい。では、どうすれば「あなたと共にいる」ことができるようになるのでしょうか。丸田先生と出逢い、一緒にがん患者さんのグループ・カウンセリングを行うようになってから、丸田先生にさまざまなことを語っていただきました。たとえば──。「答えがほしいと、誰もが正しい答えを求めるけれど、正しい答えなんてありません。あるように思えても、医者でも専門家でも答えはありません。求めるものは一緒に考えを出し合い、共有するところにあります。」「不安は、対象が見えないもの、実は医療者がどこまでやっても患者は安心が得られません。安心を与えなければならないという、強い使命感が医療者にあったとしても、安心を与える以上に、『不安ですよね』と、不安を共有することができれば、理解が得られるのではないかと思います。」「相手に寄り添うということは、元気づけようとするよりも、むしろ話を聞いてあげて、本当に苦しいんだろうなと思い、それでいながら自分は何もできないと思うこと。でも、いまここに寄り添い、また、あなたが来週来たときにもここにいて、それからもつながりをずっともっていきます、という姿勢がとても重要です。」

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著者情報

岡山 慶子 編著

1967年3月金城学院大学文学部社会学科卒業。1967年4月株式会社朝日広告社入社。調査部門にてメディアの特性分析や読者の心理などを研究。1986年株式会社朝日エルを設立,代表取締役社長に就任。保健・医療・福祉・女性支援などをテーマに社会貢献とビジネスの融合を図る。2000年米国ミシガンにあるアクイナス大学のサステイナブルビジネスコースと提携し,持続可能な社会を担うマーケティング活動を会社の方針とする。2006~2014年共立女子短期大学社会心理学教室非常勤講師。現在株式会社朝日エル会長。NPO法人キャンサーリボンズ,NPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンター各副理事長。認定NPO法人乳房健康研究会,NPO法人日本持続発展教育(ESD)推進フォーラム各理事。一般社団法人ニュートリション推進会議こどもの健康づくり委員会ほかの理事・評議員をつとめる。

中村 清吾 編著

東京生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後,聖路加国際病院外科にて研修。1993年同病院情報システム室長兼任。 1997年M.D.アンダーソンがんセンターほかにて研修。2005年 同病院ブレストセンター長(初代)・乳腺外科部長。2006年聖路加看護大学 臨床教授兼務,日本赤十字看護大学 非常勤講師。2010年昭和大学医学部外科学講座乳腺外科部門 教授,昭和大学病院ブレストセンター長,臨床遺伝医療センター長兼務。2014年徳島大学客員教授。2016年天津医科大学客員教授。[所属学会・資格・役職など]日本外科学会指導医,同専門医・日本乳癌学会乳腺指導医・同専門医・日本乳癌学会理事長・日本外科学会理事・日本癌治療学会代議員・日本外科系連合学会フェロー・ American Society of Clinical Oncology(ASCO)会員・ 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会理事長・日本医学会評議員・NPO法人キャンサーリボンズ理事長。

森 さち子 編著

1991年慶應義塾大学社会学修士課程修了。1993年慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室助教。2008年学術博士(慶應義塾大学)。2009年慶應義塾大学総合政策学部准教授。同大学医学部精神・神経科学教室兼担准教授。現在慶應義塾大学総合政策学部教授。同大学医学部精神・神経科学教室兼担教授。放送大学客員教授。サイコセラピー・プロセス研究所副所長,臨床心理士。日本精神分析学会認定心理療法士・スーパーバイザー,日本園芸療法学会理事。

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