ホーム > 臨床脳科学

臨床脳科学  新刊

心から見た脳

臨床脳科学

精神疾患は脳という臓器の病気でもある―。脳科学と臨床、両方から疾患を研究する著者が、専門職の疑問から必須の知識を集成。

著者 加藤 忠史
ジャンル 精神医学・精神医療
シリーズ・著作集
シリーズ 脳と心のライブラリー
出版年月日 2018/06/20
ISBN 9784753311361
判型・ページ数 4-6・192ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに
第Ⅰ部 臨床心理と脳
第1章 無意識と脳
夢と脳波/夢と機能的MRI/無意識の脳研究
第2章 認知療法と脳
情動とは何か/うつ病的認知と扁桃体/ニューロフィードバック
第3章 カウンセリングと脳
二人の機能的MRIの同時記録/瞬きの同期/脳同士の同期
第4章 認知機能検査と脳
認知機能の診方/損傷研究で注意すべき点/離断症候群/損傷研究により明らかにされた脳の高次機能
第5章 虐待と脳
動物実験/養育行動の脳科学/オスの攻撃行動/輸送反応/社会問題の解決に向けて
第Ⅱ部 病気からわかる脳の働き
第6章 パーキンソン病とドーパミン
脳皮質/小脳/大脳基底核/神経伝達物質と受容体/ドーパミン受容体
第7章 依存と側坐核
側坐核とは/ドーパミンと報酬
第8章 睡眠覚醒障害とオレキシン
さまざまな睡眠覚醒障害/ナルコレプシーとは/ナルコレプシーの原因
第9章 てんかんとイオンチャネル
てんかんの生物学
第Ⅲ部 精神疾患と脳
第10章 自閉スペクトラム症とシナプス
自閉症は増えているのか/診断の広がり/自閉症の原因/ゲノムとは/自閉症とゲノム/動物モデル
第11章 統合失調症と脳の同期
統合失調症とは/統合失調症の原因探求/動物モデル研究/抑制性神経細胞の機能/意識と脳波の同期
第12章 認知症の治療は可能か
アルツハイマー病の原因/創薬研究/なぜアミロイドβが蓄積するのか/凝集タンパク質の伝播/レビー小体病とαシヌクレイン
第13章 性同一性障害と脳
性同一性障害の原因
第14章 摂食障害とペプチド
グレリンとレプチン/摂食障害と脳
第15章 うつ病と神経可塑性
変貌するうつ病/さまざまなうつ病/うつ病の治療/なぜうつ病の原因が解明されてこなかったのか?/抗うつ薬の作用機序の研究/うつ病の神経可塑性仮説/うつ病とモノアミン神経核/うつ病と手綱核/うつ病と炎症/季節性うつ病
第16章 PTSDと神経新生
PTSDと動物モデル/神経新生の役割/NMDA受容体の働き
第17章 双極性障害と視床室傍核
双極性障害とリチウム/躁とうつのメカニズム/ゲノム研究/気分安定神経系はあるのか/モデルマウス/原因神経回路を求めて

このページのトップへ

内容説明

〈はじめに〉
 心理臨床、精神科医療、精神保健福祉など、さまざまなメンタルヘルスの現場では、日々精神疾患の患者さんと関わり、心理・社会的治療や社会復帰の援助を行っています。こうしたメンタルヘルス実践は、心理学を含め、どちらかというと人文・社会科学的なアプローチが中心となっています。
 しかしながら、その一方で、精神疾患は脳という臓器の病気でもあります。脳について、どれだけ理解した上でこうした仕事をしていけばよいのか、不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近、脳科学は急速に進歩していますが、脳科学の本というと、分子や細胞の話が多くて、特に文系の方にとっては、少々ハードルが高く感じられるのではないかと思います。
 岩崎学術出版社から、本を書いてみないかとお声かけいただいた時、確かに、メンタルヘルス臨床の観点から脳について知る本は必要だと思いました。分子や細胞からでなく、心や、心の症状として現れる病気を手がかりに、脳について考える本があれば、取り組みやすいのではないか、と考えました。
 私は精神科医ですので、精神療法にも関心を持ってきましたが、この十七年間は、主に理化学研究所で精神疾患の脳科学の研究に携わってきました。ただ、理化学研究所での研究の傍ら、ずっと臨床にも携わってきました。現在は週末にクリニックで診療をしており、脳科学と臨床という、両方の立場から、精神疾患に取り組んでいます。臨床の視点から脳を見る本が必要だとしたら、それを作るのは私の使命かもしれない、と思いました次第です。
 この本では、主にメンタルヘルス専門職の方々が日々感じている臨床的疑問を手がかりに、脳科学の世界にご案内し、知っておくべき脳科学の知識について、わかりやすくまとめることを目指しました。すなわち、心理学や精神医学という、心の視点から脳を見ていくのが、この本です。
 なお、一般的でない言葉が出てきたら、その場で説明するように心がけましたので、知っている言葉の説明が出てきたら、跳ばして読んで下さい。
 本書が、メンタルヘルスに携わる方のお役に立てることを祈っております。

このページのトップへ

著者情報

加藤 忠史

1963年 東京都生まれ 1988年 東京大学医学部卒業 1989年 滋賀医科大学附属病院精神科助手  1995年~1996年 文部省在外研究員としてアイオワ大学精神科にて研究 1997年 東京大学医学部精神神経科助手,1999年講師 2001年 理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム チームリーダー 現 在 理化学研究所脳神経科学研究センター精神疾患動態研究チーム チームリーダー 非常勤等 脳科学研究戦略推進プログラム・プログラムスーパーバイザー,日本うつ病センター・六番町メンタルクリニック・非常勤医師,東京大学大学院医学系研究科連携教授,広島大学客員教授,順天堂大学客員教授,藤田保健衛生大学客員教授 他

このページのトップへ

関連書籍

快の錬金術

快の錬金術

「快-不快」の視点から人の心を裸にする

著者:岡野 憲一郎
 
 

このページのトップへ