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精神分析的アプローチの理解と実践  新刊

アセスメントから介入の技術まで

精神分析的アプローチの理解と実践

広い意味での精神分析的アプローチは日々の臨床のために現実的な助けとなる。臨床場面での実践方法を論じ,臨床家に広く役立つ1冊。

著者 吾妻 壮
ジャンル 精神分析
出版年月日 2018/11/04
ISBN 9784753311460
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに
第一部 セラピーを始めるために
 第 1 章 精神分析的アプローチの多様性──精神分析から支持的セラピーまで
 第 2 章 精神分析的アプローチを理解する①──構造化
 第 3 章 精神分析的アプローチを理解する②──無意識の探究と支持的要素
 第 4 章 セラピーを始めてみる
第二部 精神分析的アセスメント
 第 5 章 精神分析的セラピーへの導入としての精神分析的アセスメント
 第 6 章 精神分析的アセスメントのポイント①──自我心理学の枠組みから
 第 7 章 精神分析的アセスメントのポイント②──関係性,発達歴,その他
第三部 精神分析的セラピーの基本と方法
 第 8 章 精神分析的セラピーの基本
 第 9 章 解釈の技術
 第 10 章 精神分析的治療における介入の多様性
 第 11 章 プロセスについての介入

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内容説明

「はじめに」より
 本書は,精神分析的アプローチの臨床場面での実践方法を論じたものである。精神分析の考え方に魅力を感じている臨床家の日々の実践の助けとなるような内容を目ざした。
 精神分析は,フロイトおよび彼に影響を受けた多くの精神分析家たちが,膨大な臨床経験をもとに作り上げてきた実践の方法である。精神分析は,精神病理学のための理論的枠組みとしても大変有用であり,さらには哲学や文学などの人文科学諸分野においてもしばしば重要な参照枠とされている。
 しかし私は,精神分析の本領はやはり臨床実践にあると考えている。精神分析を行うための方法は,日々の臨床経験の中でこそ作られ,洗練されるものであろう。本書では,理論的なことには深入りしすぎずに,臨床場面における精神分析的な実践の方法に焦点を当てて論じている。サイコセラピー(精神療法,心理療法,セラピー)の実践に携わる精神科医や心理士など,臨床実践に携わる方々に広く読んでいただければ幸いである。
 本書は三部から成り立っている。第一部はセラピーに関する基本的な内容を扱っている。1回45分ないし50分の時間をとって行うセラピーの経験が全くない方,および,そのような経験が多少はあるもののセラピーを精神分析的にするにはどうしたらよいのかが分からないという方を念頭に書いている。精神分析的セラピーの経験がすでにある程度ある方は,第二部から読み始めてもよいかもしれない。第二部では精神分析的アセスメントについて,そして第三部では精神分析的セラピーの基本と方法について論じている。基本的な事柄を中心に述べているが,一部発展的な内容も扱っている。丹念に追って行けば十分に理解可能なように書いたつもりであるが,章によって難易度に若干ばらつきが生じることは避けられなかったのでご了承いただきたい。
 各章の概略は以下のようになる。第一部は4つの章から成り立っている。第1章では,精神分析の考え方を用いるということにはさまざまな可能性があることを示している。カウチを用いた本格的な精神分析以外にも,さまざまな治療法があるという考え方を紹介している。第2章と第3章では,精神分析的アプローチを特徴づける基本的な諸概念について概観している。第4章では,本格的なサイコセラピーを始めてみることの重要性について述べている。精神分析の習得にあたっては,座学ではなく実践こそが重要であるから実践をしてみないことには何も始まらないのだが,それをいかにして可能にするのかを論じている。その上で,第二部に入る。第二部は3つの章から成り立っているが,いずれの章も精神分析的アセスメントについて論じている。第5章では,精神分析的セラピーを開始するまでの手続きを,精神分析的アセスメント面接の提案および実施,そしてセラピー構造の提示という一連の流れとして論じている。第6章と第7章では,精神分析的アセスメントの具体的なポイントについて述べている。網羅的であることよりも,重要であってもあまり取り上げられることのない事柄について触れることを心掛けた。第三部の最初の章である第8章では,実際に精神分析的セラピーを行っていく際の基本的な心構えを取り上げる。続いて第9章では解釈の技術について論じている。主に米国精神分析の中での議論を参考にしながら,解釈の技法の要点を説明している。解釈を生み出す際の発想の由来を,伝統的な精神分析理論の枠組みを十分に参照しながら説明するように心掛けた。第10章,第11章は,やや発展的な,そして挑戦的な内容となっている。精神分析的セラピーにおいて,近年解釈と共に,あるいはそれ以上に重要だと考えられるようになっているプロセス的側面の扱いについて述べている。ここでは,用いることのできる技法の幅を広げることを目指しているが,これらの章には発展的な内容も含まれているため,初学者には少し取り組みにくいかもしれないが,参考にしていただければと思う。

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著者情報

吾妻 壮

1994年東京大学文学部卒業。1998年大阪大学医学部卒業。2000~2009年米国にて,アルバート・アインシュタイン医科大学精神科レジデンシー修了,コロンビア大学精神分析センターおよびウィリアム・アランソン・ホワイト研究所にて精神分析の訓練を受ける。帰国後,大阪大学大学院医学研究系研究科精神医学教室を経て現在神戸女学院大学人間科学部教授。国際精神分析協会および米国精神分析協会正会員,医学博士。 著訳書 開かれた心(里文社,共訳)乳児研究から大人の精神療法へ(岩崎学術出版社,共訳)

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