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実践 子どもと思春期のトラウマ治療  新刊 これから出る本

レジリエンスを育てるアタッチメント・調整・能力(ARC)の枠組み

実践 子どもと思春期のトラウマ治療

トラウマを体験した子どもへの介入の手引きとして「ARC(アタッチメント,調整,能力)」の枠組みを紹介。児童福祉関係者必見。

著者 マーガレット・E・ブラウシュタイン
クリスティン・M・キニバーグ
伊東 ゆたか 監訳
ジャンル 心理療法・カウンセリング
発達・思春期・老年
児童福祉
出版年月日 2018/11/16
ISBN 9784753311477
判型・ページ数 B5・416ページ
定価 本体6,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

推薦の言葉
日本語版への序文
著者紹介
序  文
謝  辞
はじめに
PART I 概 観
第1章 トラウマの発達への有害な影響
第2章 子どもの発達,人の危険反応と適応――子どもの行動の理解のためのスリーパーツモデル
第3章 アタッチメント,自己調整,能力(ARC)の枠組み
PART II アタッチメント
第4章 養育者の感情管理
第5章 波長合わせ
第6章 養育者の一貫した応答
第7章 ルーティン(習慣)と儀式
アタッチメントを超えて――「自己調整」と「能力」を形成し支援する養育システムの役割
PART III 自己調整
第8章 感情の認識
第9章 調 整
第10章 感情表現
PART IV 能 力
第11章 司令塔(前頭葉)機能を強化する
第12章 自己の発達とアイデンティティ
PART V 統 合
第13章 トラウマ体験の統合
あとがき
付 録
資料A 治療用シート
資料B 養育者へのハンドアウトとワークシート
資料C グループ活動
資料D 子ども向けの参考資料とワークシート
資料E 施設向けのハンドアウトとワークシート
追加の参考資料
参考文献
監訳者あとがき
索  引

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内容説明

(本書「推薦の言葉」より抜粋)
 混迷する日本の子どもの臨床現場に,待望の書が邦訳されました。原著は米国のM. E. ブラウシュタインとK. M. キニバーグ共著の「実践子どもと思春期のトラウマ治療 Treating Traumatic Stress in Children and Adolescence」です。著者は,トラウマを早いうちにケアするために,子どもと養育者にトラウマ反応をよく説明し,主体的にトラウマを克服する力を促すトラウマ・インフォームド・ケアの米国のリーダーです。
 訳者は,長年東京都児童相談センターで虐待の臨床に取り組んできた伊東ゆたか先生とその仲間です。伊東先生らは,米国で著者の指導を受け,レジリエンスを育てるアタッチメントattachment(A),調整regulation(R),能力competency(C)つまりARC の枠組みを日本に広めるために,渾身の熱意で本書の翻訳に取り組まれました。
 ARC の枠組みとは,安全安心の土台としての愛着,現実に適応するための感情調整,ストレスに耐えて生き抜く能力の3 つを基本とします。このARC の3 軸は,人が生きぬく普遍的なサバイバルの原理として,脳科学的にも検証されたものです。複雑性トラウマの難しさを克服するには,人間存在の基本に立ち戻り,一人ひとりに適した方法を探らなければなりません。
 今,日本全国には,虐待,DV,いじめにあう子や,被災,家庭崩壊,貧困を体験する子どもが増えています。発達期に耐えがたいストレスを受けると,やがてトラウマ反応が生じます。恐怖の記憶がわきあがるため,じっとできず,集団に溶け込めず,ささいなことで癇癪や暴力や引きこもりがおきます。誰よりもその子自身が一番苦しみ,生きていること自体が辛くなります。子どもと家族,身近な幼稚園,保育園や学校の先生に,トラウマ反応について理解してもらうことで,子どもを取り巻く関係性は改善します。
 子どもの複雑性トラウマに適切に取り組む専門家は,日本はむろん世界にもそう多くはいません。好むと好まざるとにかかわらず,親(養育者)子を尊重し,その主体性を育み,地域集団の人的資源を掘り起こし,一歩ずつ着実にできるところから手をつけていくほかありません。悪循環が生じる前に少しでも穏やかな関係性が生まれることが大切です。それだけで子どもは生きやすくなります。
 著者らは米国で,親の薬物やアルコール依存,精神疾患や抑うつ,虐待やDV,殺傷事件や暴力沙汰,家庭崩壊,貧困や難民などの想像を絶する問題に取り組んでいます。そして子どもの周りのコミュニティーの力にも早くから気づいていました。このARC の枠組みは,多様な場で実践できる有効な方法であることが学問的に実証されています。
 本書が全国の児童相談所や養護施設や里親の方々に日常的に読みこなしていただけることを願います。それだけではなく,家庭,保育園,幼稚園,子ども家庭支援センター,学校や地域の医療機関で,広く読まれることを願います。トラウマ反応への理解が増し,トラウマを抱えて生きる子どもへの思いやりが社会に広がることにより,深刻なトラウマ反応が予防され,すでにトラウマで苦しむ子どもと養育者の心にも暖かい光が灯されていくことを希望します。
渡辺 久子
世界乳幼児精神保健学会理事

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著者情報

マーガレット・E・ブラウシュタイン

クリスティン・M・キニバーグ

伊東 ゆたか 監訳

筑波大学医学専門学群卒業 東京女子医科大学小児科,帝京大学医学部精神神経科,ハーバード大学医学部精神科,東京都児童相談センターなどを経て 現  職 帝京大学医学部精神神経科 病院教授 医学博士 訳  書 Jラベット著『スモール・ワンダー EMDRによる子どものトラウマ治療(市井雅哉監訳,二瓶社,2010)』

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